日々のスーパーでの買い物などで、「また少し高くなったかな?」と物価の上昇を肌で感じる場面も増えているかもしれませんね。

総務省「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)3月分(中旬速報値)」によれば、総合指数は前年同月比で1.4%の上昇となっています(2026年3月公表)。

今の生活へも影響がありますが、一方で老後資金も貯めたいもの。「老後2000万円問題」が一時期話題になりましたが、まとまった資金を築くには時間をかけてコツコツと備えることが重要です。

新年度がはじまり、貯蓄額の目標を立てる方もいるでしょう。今回はおひとりさまに視点をあてて年代別に貯蓄額の平均・中央値と、貯蓄を持っている人と持っていない人の違いをみていきます。

1. 【年代別】おひとりさま世帯の貯蓄額(平均・中央値)をチェック

まずは、おひとりさま世帯の最新の貯蓄状況について、金融経済教育推進機構「2025年 家計の金融行動に関する世論調査」をもとに確認していきます。

平均貯蓄額

平均貯蓄額

出所:金融経済教育推進機構「2025年家計の金融行動に関する世論調査」をもとにLIMO編集部作成

 

1.1 30歳代・おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)を見る

  • 金融資産非保有:32.3%
  • 100万円未満:14.2%
  • 100~200万円未満:14.2%
  • 200~300万円未満:4.9%
  • 300~400万円未満:4.3%
  • 400~500万円未満:2.8%
  • 500~700万円未満:5.5%
  • 700~1000万円未満:3.1%
  • 1000~1500万円未満:5.5%
  • 1500~2000万円未満:4.3%
  • 2000~3000万円未満:2.5%
  • 3000万円以上:3.4%
  • 無回答:3.1%
  • 平均:501万円
  • 中央値:100万円

30歳代では平均が500万円を上回る一方で、中央値は100万円にとどまっています。

分布を見ると、金融資産を持たない人が32.3%、100万円未満が14.2%である一方、3000万円以上を保有する人も3.4%存在しています。

1.2 40歳代・おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)を見る

  • 金融資産非保有:32.1%
  • 100万円未満:15.1%
  • 100~200万円未満:7.1%
  • 200~300万円未満:5.9%
  • 300~400万円未満:4.3%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:4.6%
  • 1000~1500万円未満:6.2%
  • 1500~2000万円未満:1.2%
  • 2000~3000万円未満:2.8%
  • 3000万円以上:9.9%
  • 無回答:2.5%
  • 平均:859万円
  • 中央値:100万円

40歳代は中央値が30歳代と同じ100万円ですが、平均は300万円以上増加しています。

3000万円以上の割合は約1割を占めています。

1.3 50歳代・おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)を見る

  • 金融資産非保有:35.2%
  • 100万円未満:10.1%
  • 100~200万円未満:7.4%
  • 200~300万円未満:4.6%
  • 300~400万円未満:2.7%
  • 400~500万円未満:3.3%
  • 500~700万円未満:4.9%
  • 700~1000万円未満:4.6%
  • 1000~1500万円未満:6.0%
  • 1500~2000万円未満:3.3%
  • 2000~3000万円未満:5.5%
  • 3000万円以上:10.4%
  • 無回答:1.9%
  • 平均:999万円
  • 中央値:120万円

50歳代では中央値が上昇し、平均も1000万円に近い水準となっています。

一方で、金融資産非保有が35.2%、100万円未満が10.1%と、十分な貯蓄を持たない層も見られます。

1.4 60歳代・おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)を見る

  • 金融資産非保有:30.4%
  • 100万円未満:9.1%
  • 100~200万円未満:4.3%
  • 200~300万円未満:2.4%
  • 300~400万円未満:4.5%
  • 400~500万円未満:3.1%
  • 500~700万円未満:6.0%
  • 700~1000万円未満:4.8%
  • 1000~1500万円未満:8.1%
  • 1500~2000万円未満:4.1%
  • 2000~3000万円未満:5.5%
  • 3000万円以上:15.6%
  • 無回答:2.2%
  • 平均:1364万円
  • 中央値:300万円

60歳代では中央値が300万円まで上昇し、平均も1364万円となっています。

ただし、100万円未満(非保有を含む)の割合も約4割にのぼっています。

2. 「貯蓄がある人」と「貯蓄がない人」の違いとは

ここまで年代ごとの平均や中央値を確認してきましたが、個人によるばらつきが大きいことが分かります。

こうした中で、「貯蓄がある人」と「貯蓄がない人」では、主に次のような違いが見られます。

2.1 具体的にお金を把握しているかどうか

貯蓄の有無で差が出やすいポイントのひとつが、「どれだけ具体的にお金を把握しているか」です。

たとえば家計収支では、収入と支出を可視化することで「なぜ貯まらないのか」が明確になり、「何にお金を使うか・使わないか」「どのような生活を送るか」といった判断もしやすくなります。

また、貯蓄額についても同様に、現在の残高や毎月の積立額、このままのペースで将来いくらになるのかといった具体的な把握が重要です。

加えて、「ねんきんネット」などを活用すれば老後の年金見込み額も確認できます。

公的年金だけで生活するのは難しいケースも多いため、まずは現実的な受給見込みを把握することが大切です。

2.2 自動で貯まる仕組みを活用しているかどうか

日々忙しく、こまめにお金の管理ができない人も多いからこそ、「先取りで自動的に貯まる仕組み」を取り入れることが重要です。

金融機関によっては、給料日に一定額を自動で積み立てるサービスが用意されており、こうした仕組みを活用することで、無理なく貯蓄を続けやすくなります。

2.3 お金に関する情報を取り入れているかどうか

「リスクが怖い」「よく分からない」といった理由から、最初から情報収集を避けてしまう人も少なくありません。

しかし、情報を知っているかどうかで選択できる行動は大きく変わります。

まずは正しい知識を得て、そのうえでリスクを理解し、自分に合った範囲で行動することが大切です。

3. 貯蓄目標を立てることから始めてみましょう

今回はおひとりさまの貯蓄事情を見てきました。

年代別の平均額や中央値は、あくまで目安の一つです。貯蓄できている人に共通するのは、他人との比較ではなく、少額でも「先取り貯蓄」などでコツコツ貯まる仕組みを作っている点です。

物価高で日々のやりくりが大変な時期ですが、頼れるのが自分自身である「おひとりさま」だからこそ、将来への備えが大きな安心に繋がります。新年度を機に、まずは無理のない貯蓄目標を立ててみませんか。

参考資料