2026年4月13日から19日は「科学技術週間」です。
「科学技術週間」は、科学技術について広く一般の方々が理解と関心を深め、日本の科学技術の振興を図ることを目的として昭和35年2月に制定されました。
毎年4月18日の「発明の日」を含む1週間(月曜日に始まり日曜日に終わる)は「科学技術週間」と定められています。
また、この期間にあわせて文部科学省が毎年発行する「一家に1枚」ポスターは、2005年の第1弾発行から20年以上の歴史を刻んできました。
そこで本記事では、記念すべき11枚目の「くすりの形」(2015年度)のポスターについて、その内容を詳しくご紹介します。
なお、このポスターは、京都大学教授(化学・薬学)上杉志成さん、京都大学教授(芸術学)土佐尚子さん、京都大学教授(教育学)飯吉透さんが中心となり作成しました。
※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
1. 【一家に1枚「くすりの形」】複雑な化学構造式の謎に迫るポスターが登場
今回ご紹介するのは「くすりの形」ポスターです。
『一家に1枚』シリーズポスターの第11弾である「くすりの形」は、薬のカタチを通じて化学構造式について説明するポスターです。
ポスターの見どころについて詳しく解説します。
1.1 「くすりの形」ポスターの見どころ①:化学構造式とは何かをわかりやすく解説
多くの人は「化学構造式」と聞くと、良くわからないという印象を持つのではないでしょうか?
このポスターでは、「薬のカタチ」を通じて化学構造式に興味をもってもらうことを目的としています。
星の位置を記憶するのは退屈ですが、星座に置き換えると多くの人は興味が湧いてきます。
それと同じ仕組みで、ポスターでは薬の構造式を解説することで、化学構造式に興味を持てるようにしています。
私たちが飲む薬のほとんどは、目に見えない小さな「化合物」でできています。
その化合物にはいろいろな形があり、「化学構造式」で表し、その形から薬の作用がわかります。
そこで、ポスターでは薬の形が何に見えるか、想像力を働かせて絵に描いています。
1.2 「くすりの形」ポスターの見どころ②:化学構造式をより詳しく知るために図を使って解説
一般的になじみがある薬を中心に取り上げ、化学構造式とその形を模したイラストを並べました。
また、子どもでもわかりやすい一言コメントが添えられていることで、興味が持ちやすい構成になっています。
この企画の発端は「edX」だとしています。edXはハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が始めた国際オンライン教育機関で、世界の有名大学が無料で講義を提供する施策です。
そのedXに、京都大学は日本初の講義「The Chemistry of Life(生命の化学)」を提供しています。
その講義の中で、薬の化学構造式に似たイラストを募集し、2780個のデザインが集まったそうです。
その代表例をプロのアーティストが書き直し、今回のポスターのイラストとして使用しています。
ポスターでは、分子量(化合物の大きさの目安)の順番に薬を並べました。下にある化合物ほど、大きなものになっています。
化学構造式の読み方や薬の効き方について簡単な説明も加え、幅広い世代の人が興味を持てるようにしています。
薬は「魔法」ではなく「科学」です。このポスターを見た子どもたちが科学者になり、難病を治癒する新薬を生み出してくれることを願いながら制作したそうです。
いかがでしたでしょうか。
「くすりの形」は、詳しく知らない人が多い化学構造式について、わかりやすく解説する貴重なポスターです。
ポスターは、文部科学省の「一家に1枚」ホームページからダウンロードできるようになっています。
ぜひ印刷して掲示し、眺めて、学んで、科学のたくさんの魅力を発見してみてください。

