できるだけ子どもに手作りものを食べさせたい、というAさんの姿勢はとても素晴らしいですし、ママの愛情たっぷりのおやつや料理を食べられるAさんのお嬢さんはとても幸せだなぁ、と思います。

しかし、自分で決めたルールに縛られ過ぎて、気持ちがしんどくなってしまうのはいただけません。もし、周りの子育てルールと我が家の子育てルールが違うな、と感じたときは、「ここまでなら目をつぶろう」という妥協点を決めておくことも大切です。

よそのお家にお邪魔したときは、「郷に入ればなんとやら」で、そこで出されたお菓子はありがたくいただく。その代わり、我が家に招待したときは、「お菓子を張り切ってたくさん作りすぎたの。だから、子どもたちの飲み物だけ各自もってきてもらっていいかな」と上手く手土産を辞退する。

子育てに「正解」なんてあってないようなもの。我が家のルールが正解であるのと同じように、他の家の子育てだって正解の場合もあるのです。
「それはちょっと…」と眉をひそめるような事態でない限り、みんなといるときは多めに見てあげてもいいのではないでしょうか。

一度や二度、ルールを逸脱したところで、今までの努力が水の泡、なんてことはありません。むしろ、そうならないように、どのようにフレキシブルな対応をするかを考える、ということもルールを決めるのと同じくらい大切なことではないかと思うのです。

■ときには肩の力を抜いて

子育てにおいてルールを決める理由は大きくわけるとふたつ。ひとつは子どものため、もうひとつは親のため。
子どもが健全に育つように、親が効率よくストレスなく子育てできるようにするためのルールで、子どもや親がしんどい思いをしないようにしていきましょう。
あまりガチガチになる必要はありません。たまには「ま、いっか」の精神も必要です。

大中 千景