最近良くテレビや雑誌で「iDeCo(イデコ)」という言葉を見たり聞いたりすることが増えてきました。

老後の資金を作るための制度ということはなんとなくわかっても、メリットやデメリットまではよくわかりませんよね。

iDeCoは2017年に制度改正され、今までは対象外だった専業主婦や公務員も加入できるようになった個人型確定拠出年金のことをいいます。

人生100年時代といわれる今、公的年金だけで過ごす老後には不安しかなく、いかにして自分で自分の老後の生活を守るのかがカギになってきます。

本記事では、老後資金の形成に最適だといわれているiDeCoについてメリット・デメリット、その始め方について解説しています。

 iDeCoとは?

iDeCoとは、01年に施行された個人型確定拠出年金の愛称で「老後資金を自分で作るための年金制度」のことをいいます。

20歳以上60歳未満であれば加入できます。また、17年1月からは専業主婦や公務員もiDeCoに加入できるようになりました。

iDeCoに加入するかどうかは任意となっており、「自分で考えて申し込み」、「自分で掛金を出して」、「自分で運用方法を決めて」、60歳以降にこれまで運用してきた資金と運用益を受け取る制度となっています。

何もかも自分で決めなければなりませんが、しっかりと制度を把握して運用すれば「より豊かな老後生活を送れるようになる!」という制度なのです。

老後に受け取る年金額を見ると、国民年金は満額でも年間77万9,292円、月額にして6万4,941円しかなく、厚生年金に加入している会社員でも月額22万1,277円となっています。(※厚生労働省の18年1月時点で妻が専業主婦、夫の月収(賞与を含む平均月収)42万8000円で40年間保険に加入していた場合の給付水準)。

この年金額では、老後にゆとりある生活どころか平均的な生活を送ることも難しいといわざるを得ません。

そこで国が「老後資金が不足するなら自分で頑張って増やしてください」といって施行されたのがiDeCoなのです。

 iDeCoのメリット

iDeCoにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ひとつずつ詳しく見てきましょう。

掛金が全額所得控除

iDeCoの最大のメリットが、この全額所得控除です。iDeCoの掛金が全額所得控除されて住民税と所得税が軽減されます。

たとえば、毎月掛金1万円の場合、年間2万4000円の所得税と住民税が軽くなるのです。掛金が大きくなればなるほど、控除額が大きくなりますのでお得ですよね。

運用益も非課税

通常、銀行の預金利子や投資信託で得た運用益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで得た運用益は非課税となります。

そのため、得られた運用益から税金が引かれることなく再投資されて、複利効果で資金は雪だるま式に増えていきます。

受け取るときも控除がある

iDeCoは60歳になって運用した資金を受け取るときにも大きな控除があります。

受け取り方には「年金」「一時金」で受け取る方法があり、金融機関によっては「年金と一時金の両方」で受け取ることができます。

年金で受け取る方法を選べば「公的年金等控除」、一時金で受け取る方法を選べば「退職所得控除」が適用になり、どちらも所得税が大幅に軽減されます。

また、1,000万円を10回に分けて年金方式で受け取る場合は「公的年金控除」が適用になります。年額100万円の公的年金控除は70万円ですので、課税対象は30万円となり所得税5%では納税額はたったの1万5000円となります。

 iDeCoのデメリット