GEの2015年Q4(10-12月期)は増収増益決算に
2016年1月22日に、電力関連、石油ガス、航空機、ヘルスケア、鉄道関連などの機器及びサービスと金融を手掛ける世界最大のコングロマリット(複合企業)であるGEが2015年Q4決算を発表しました。
全体の売上高は339億ドル(前年比+1%増)、親会社普通株の株主に帰属する純利益は63億ドル(同+22%増)と、増収増益決算でした。
工業セグメントの決算内容は冴えなかったが受注残は大幅に増加
ただ、全社ではかろうじて増収を確保しましたが、工業部門だけを見ると▲1%減収、セグメント利益も▲8%減益に留まっていました。電力、エネルギーマネジメント、航空機、交通は増収を確保できたものの、再生エネルギー、石油ガスの大幅減をカバーできなかったためです。利益面でも航空機、交通、家電照明は増益でしたが、残りの5部門は減益となっていました。
一方、受注は+3%増、買収の影響等を除いたオーガニックベースで+1%増となりました。Q4 末の受注残高もアルストムの買収影響290億ドルを含め3,150億ドルとなり、Q3 末に比べ+450億ドル増加し最高額を更新しています。
決算発表後の株価は下落
GEの1月22日の株価は、ダウ平均が+1.3%上昇した中で▲1.2%の下落となりました。EPS(1株当たり利益)はコンセンサスを上回ったものの、主力の工業部門の売上高が下振れしたためと推察されます。
とはいえ、2016年のEPS予想は昨年末に発表した年間見通しを据え置いています。石油ガス関連を中心に不透明な分野もあるものの、ポートフォリオの入れ替えにより注力分野を強化することで、逆風は乗り切れるという自信が感じられます。こうした点を今週からの株式市場がどのように評価するかが注目されます。
日本企業へのインプリケーション
アルストムの買収によりGEの火力発電事業は規模を拡大し、競争力を高める可能性があります。こうした動きに対して日立製作所(6501)、三菱重工(7011)、東芝(6502)、富士電機(6504)など日本の重電メーカーの動きが注目されます。
また、石油ガス関連分野が弱いことはある程度想定されていましたが、関連分野が多いIHI(7013)、日揮(1963)、千代田化工建設(6366)の業績動向には注意が必要と思われます。
【2016年1月25日 投信1編集部】
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LIMO編集部