株式会社そごう・西武は、2026年3月25日、西武渋谷店の営業を2026年9月30日をもって終了すると発表しました。SNSでは一時代の終焉に、悲鳴と感謝が相次ぐ一方で、一部施設の存続に安堵の声もあがっています。

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出所:株式会社そごう・西武

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1. 開店から58年。渋谷を「文化の街」にした西武渋谷店

渋谷のスクランブル交差点を渡り、公園通りへと進む際、必ず目に飛び込んでくる「A館」「B館」の文字。西武渋谷店は、1968年の開店以来、半世紀以上にわたってファッションとカルチャーの発信地であり続けました。

オープン当時、渋谷は「坂が多く不便な街」というイメージが定着していましたが、西武渋谷店を中心としたムーブメントで、「文化の街」へと変貌を遂げました。

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Ned Snowman/shutterstock.com

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1970~80年代には、コム デ ギャルソンやヨウジヤマモトなどのDCブランドをいち早く紹介し、「セゾン文化」が開花。若者たちが「背伸びをして行く場所」としての地位を確立しました。

1990年度には売上高は約967億円でピークを迎えます。ただ、1990年代後半からセゾングループの経営が悪化。2003年にそごうと統合、2006年にセブン&アイ・ホールディングスが買収、2023年に米投資ファンドの傘下に入るなど、経営体制も大きく変わっていきました。

その中で百貨店という業態自体が、ECの台頭などで苦境に立たされます。2023年に東急百貨店の本店が閉館し、伝統的な大型百貨店は西武渋谷店を残すのみという状況でした。

2. A館・B館・パーキング館が営業終了。ロフト館・モヴィーダ館は存続

今回の営業終了の判断は、賃貸借契約の満了に伴うものです。

土地・建物所有者(権利者)側との賃貸借契約の満了、および再開発計画に伴う明け渡し要請を受け、継続に向けた協議を進めていましたが、最終的には交渉は決裂し、明け渡しという結果になりました。

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Ned Snowman/shutterstock.com

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ただ、全施設が営業終了するわけではありません。A館・B館・パーキング館は営業終了しますが、自社所有であるロフト館・モヴィーダ館は単館として営業を継続します。

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出所:

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両館は営業終了する3館と異なり、そごう・西武が土地と建物を自社で所有しています。そのため、賃貸借契約終了の影響を受けずに済みました。

3. ロフト館・モヴィーダ館の存続に安堵の声

今回の衝撃的なニュースを受け、SNSでは悲鳴と感謝の声が広がっています。

  • 「あの(A館とB館をつなぐ)連絡通路がなくなるなんて信じられない」
  • 「渋谷がどんどん『ビルとオフィス』の街になっていく」
  • 「ラストの半年間、通い詰めてお礼を言いたい」

などのコメントが見受けられました。

一方、ロフト館・モヴィーダ館は存続することに対しては、安堵の声があがっています。

  • 「自社所有で良かった」
  • 「さすがになくなったら困る」
  • 「ロフトと無印が残るなら、まだ自分の知ってる渋谷」

といった反応がありました。

モヴィーダ館は1986年(当時の名称は「西武渋谷店SEED館」)、ロフト館は1987年(当時の名称は「渋谷ロフト館」)にオープンし、西武渋谷店とともにカルチャーの発信に貢献してきました。

現在のモヴィーダ館は地下1階から5階まで無印良品がテナントとして入居しており、同ブランドの巨大拠点となっています。「モヴィーダ館」としてではなく「渋谷の無印」として認識している人も多いかもしれません。

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出所:株式会社良品計画

出所:株式会社良品計画

ロフト館は日本初の大型生活雑貨専門店としてオープンし、現在に至るまで流行の発信地としての影響力を持ち続けています。インバウンド需要も取り込み、外国人から「日本の今」を感じさせるデザイン雑貨や高機能な文房具などが人気を集めています。

無印もロフトも現在は独立した企業ですが、元はセゾングループで誕生したブランドでした。そごう・西武は百貨店という大看板を渋谷から降ろしますが、そのDNAは継承されることになります。

参考資料

大蔵 大輔