価値観の多様化が進む現代。結婚に対する考えも同様で、結婚するかしないかはもちろんのこと、結婚するにしても「もう少しキャリアを積んでから結婚したい」「そんな焦って早くしなくても...」と考え方は人それぞれ。読者の皆さんの中にも、アラフォーやアラフィフと呼ばれる年齢で結婚したという人も多いのではないでしょうか。

そんな中、社会問題になりつつある「ダブルケア」という言葉を聞いたことがありますか?今回は、この「ダブルケア」についてご紹介します。

ダブルケアとは

「育児」と「親の介護」という2つのケアを同じ時期に担うことをダブルケアと言います。

厚生労働省が発表した「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」からは、近年の平均初婚年齢は夫、妻ともに横ばいであるものの、長期的にみると晩婚化が進行していることがわかります。

晩婚化に伴って考えられるのが、出産年齢の高齢化。そうなると、40代で子どもにまだ手がかかっている時期に、親の介護が必要になることもあるのです。実際、内閣府男女共同参画局の「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」によると、ダブルケアを行っている年齢構成は、40歳〜44歳が一番多い27.1%、次いで35歳〜39歳の25.8%、30歳〜34歳の16.4%。平均年齢は39.65歳となっています。

晩婚化や出産高齢化、そして高齢化社会が進むこれからの日本では、ダブルケアに直面する人がより増えるだろうと考えられています。多くの人にとって、ダブルケアは身近な問題であるのです。

ダブルケアの問題点

では、ダブルケアをすることになると、具体的にどのようなことが問題として挙げられるのでしょうか。

経済面の問題

育児・介護・仕事をすべて一度にこなすのは、誰にとっても難しいこと。そのため、仕事との両立が困難になり、離職したり働き方を変えたりせざるを得ない状況になることがあります。すると、世帯収入も減少するため、家計にも影響があるでしょう。

育児・介護それぞれへの影響

育児や介護、どちらか一方へ多くの時間・費用がかかってしまうことがあります。介護に傾いてしまった場合、育児に手が回らないなど、子どもの教育を心配する人も多いです。

精神的・肉体的な負担

前述の内閣府男女共同参画局の「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」によると、ダブルケアの担い手は男性が8万5千人であるのに対し、女性はその約2倍の16万8千人。なかなか家族や職場など、周囲のサポートが得られない場合、ともすれば一人で悩みを抱え込んでしまうことも。また、家庭のことなので、悩みを打ち明けられる相談相手を見つけられないこともあり、孤独を感じる可能性があります。

ダブルケアへの対策