2. 【マクロ経済スライドの仕組み】今回の年金増額は「実質プラス」といえる?

2026年度の年金額の見直しでは、国民年金が1300円、厚生年金が4495円引き上げられました。

金額としては増額となっていますが、物価の動きを踏まえると、実質的な価値がそのまま上がったとはいえない状況です。

改定率を見ると、国民年金は1.9%、厚生年金は2.0%の引き上げとなっています。

一方で、同時期の物価上昇率は3.2%とされており、年金の伸びは物価の上昇に追いついておらず、受給額は名目上は増えているものの、実際に使える価値という点では「目減り」していると捉えられます。

こうした背景には、「マクロ経済スライド」と呼ばれる調整の仕組みがあります。

これは、少子高齢化や平均寿命の延びを考慮し、将来にわたって制度を維持するために年金額の伸びを抑えるものです。

賃金や物価の動向を基準としつつ、人口構造の変化を反映した調整が行われるため、結果として物価上昇率を下回る改定となる場合があります。

このように、今回の改定は増額でありながら「実質的な受給水準は低下」していると考えられます。

では、年金の実質的な価値が低下する中で、厚生年金の受給者のうち、月30万円以上を受け取っている人はどのくらいいるのでしょうか。