2. 【マクロ経済スライドの仕組み】今回の年金増額は「実質プラス」といえる?
2026年度の年金額の見直しでは、国民年金が1300円、厚生年金が4495円引き上げられました。
金額としては増額となっていますが、物価の動きを踏まえると、実質的な価値がそのまま上がったとはいえない状況です。
改定率を見ると、国民年金は1.9%、厚生年金は2.0%の引き上げとなっています。
一方で、同時期の物価上昇率は3.2%とされており、年金の伸びは物価の上昇に追いついておらず、受給額は名目上は増えているものの、実際に使える価値という点では「目減り」していると捉えられます。
こうした背景には、「マクロ経済スライド」と呼ばれる調整の仕組みがあります。
これは、少子高齢化や平均寿命の延びを考慮し、将来にわたって制度を維持するために年金額の伸びを抑えるものです。
賃金や物価の動向を基準としつつ、人口構造の変化を反映した調整が行われるため、結果として物価上昇率を下回る改定となる場合があります。
このように、今回の改定は増額でありながら「実質的な受給水準は低下」していると考えられます。
では、年金の実質的な価値が低下する中で、厚生年金の受給者のうち、月30万円以上を受け取っている人はどのくらいいるのでしょうか。
著者
一種外務員資格(証券外務員一種)、保険募集人資格などを保有。福岡女学院大学人文学部英語学科卒業後、日本郵便株式会社にてリテール営業に従事。投資信託や生命保険の販売では商品分析を得意とし、豊富な商品知識を持つ。現在はこれまでの金融商品の知識を生かし、Instagramを中心に、SNSにて資産運用のはじめ方や資産形成のコツについて積極的に情報発信をしている。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。はたらく世代のお金の悩みに徹底的に寄り添う姿勢で顧客からの信頼も厚く、Yahoo!ニュース経済カテゴリーでアクセスランキング1位なども達成。
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)