4. 老後を安定させるカギは厚生年金|加入期間と収入の重要性
国民年金のみの自営業世帯などと比べると、厚生年金加入者は老後の収入基盤が格段に安定しているのが実情です。貯蓄が「平均より少ない」と感じていても、年金収入の水準次第では必要以上に悲観しなくてよいケースも多いでしょう。
メディアでは「年金崩壊」「老後2000万円問題」といった不安をあおる報道が繰り返されます。しかしそうした情報の多くは、あらゆる世帯を一括りにした「最悪のケース」を強調しがちです。自分たちの状況とかけ離れた話に、必要以上に焦る必要はありません。
老後の生活設計に必要なのは、漠然とした不安ではなく自分たちの数字を起点にした冷静な計画です。
5. 貯蓄800万円の現実と年金収入から考える老後生活の安心ライン
老後の家計を正確に把握するために、まず「ねんきん定期便」で夫婦それぞれの年金見込み額を確認し、毎月の生活費との差額を書き出してみましょう。
貯蓄の平均値は一部の富裕層に引き上げられているため、中央値を参考にするのが現実的です。
月3万4000円の赤字を放置すると30年間で1200万円超の資産が失われる計算になるため、支出の見直しと収入の補強を両面から検討することが重要です。
4月の新年度は家計の見直しに適した時期ですので、自身の貯蓄額や年金収入を確認し、無理のない生活設計を立てることが安心につながります。
過度な不安に流されず、現実的なデータをもとに冷静に判断していきましょう。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
柴田 充輝