2024年1月にスタートした新NISA制度も、今年でいよいよ3年目を迎えました。制度の拡充をきっかけに投資への関心が高まり、2025年12月末時点でのNISA口座開設数はなんと2826万口座を突破。その市場規模は71兆円にまで上るなど、利用者は今もなお増加の一途を辿っています。
多くの人が続々と始めているニュースを耳にして、「今から始めても、もう遅いのでは?」と焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、積立投資に「遅すぎる」ということはありません。一方で、積立投資は長く続けることで安定的に資産形成を行えるため、「やってみよう」と思い立ったときこそが一番の始めどきなのです。
今回は、具体的な投資シミュレーションをもとに、これから積立投資をスタートするにあたって押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。ぜひ、今後の資産形成の参考にしてください。
1. 積立投資は「思い立ったとき」が始めどき
積立投資は、長期的に行うことで最大限の効果を発揮しますが、「もう遅い」ことはありません。例えば40歳代から積立を始めても、老後資金の土台を築くことは十分に可能です。
積立投資の効果を実感できるように、具体的な数字を見てみましょう。
【投資シミュレーション】
例えば、毎月3万円を40歳から60歳までの20年間積み立て、年平均利回り5%で運用できた場合、以下のような結果となります。
【投資結果】
- 投資元本:720万円
- 投資利益:497万円
- 最終資産:1217万円
将来の利回りは確定ができないため、「年利回り5%」はあくまで一例となります。
2. 積立投資を始めるポイント
シミュレーションを見て、期間や金額にハードルの高さを感じた方もいるかもしれません。しかし、積立投資は柔軟性が高く、期間や金額をある程度好きなように設計できるのが強みです。
ただし、自由に設定できる一方で、失敗しないために押さえておくべきポイントも存在します。
2.1 積立期間の設定
積立投資において「時間」は最強の武器になります。長くやればやるほど、利益がさらに利益を生み出す「複利の力」が雪だるま式に働くため、毎月の小さな積立額を、将来的に大きな資産へと育て上げる可能性が高くなるのです。20年間であれば、例えば40歳代で積立を始めたとしても、老後の生活資金の助けとなるまとまった資産を形成することが期待できます。
積立投資に遅すぎるということはありませんが、長期的な投資を行うために、「思い立ったらすぐ始める」「できるだけ15年以上続ける」ことが大切です。
2.2 積立金額の設定
今回のシミュレーションは「月3万円」で行いましたが、人によっては「毎月3万円も投資に回すのは厳しい」と感じる方もいれば、「もう少し余裕があるから多く設定したい」と考える方もいるでしょう。
新NISAを利用した積立投資は、自分のライフスタイルや家計の状況に合わせて、投資金額を自由に設定できる点も魅力の1つです。
少額から始めたい場合、積立を行う金融機関によっても異なりますが、月々100円や1000円といった少額でスタートすることも可能です。 逆にしっかりと資産形成をしたい場合、新NISAのつみたて投資枠の非課税上限である「年間120万円」、総額で「生涯投資枠1800万円」の非課税保有限度額の範囲内で投資した分から得られる利益については、一切税金がかかりません。
もちろん、毎月の積立金額が大きければ大きいほど、将来的に得られる利益も大きくなる可能性が高まります。
しかし、積立投資において最大の効果を発揮するのは、一定額を長期的にコツコツと積み立てることです。目先の利益にとらわれて続けられないような金額設定をせずに、まずは自分が決めた目標期間のあいだ、無理なく続けられる金額を設定することを優先しましょう。
2.3 成功の秘訣は「ほったらかし」
「投資は難しそう」と感じる人にこそ積立投資がおすすめなのは、一般的な株式投資と異なり、一度設定すれば「自動で淡々と買い続ける」運用が向いているからです。
短期的な投資は、値上がりのタイミングを狙って売買する必要があるため、日々チャートやニュースを追う負担が大きくなりがちです。一方、積立投資は毎月自動で買い付ける仕組みを作れば、日々の値動きに振り回される必要がありません。
実は、このように一定額を長期的に毎月コツコツと購入し続ける手法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、投資の世界では王道の戦略とされています。
この手法を使うと、株価が高いときには少しだけ買い、株価が安いときにはたくさん買うことができるため、結果的に全体の購入単価が平準化され、価格変動のリスクを効果的に減らすことができるのです。
だからこそ積立投資は、相場を細かく読もうとするよりも、仕組み化して淡々と続けることが成功の鍵になります。
3. おわりに
ここまで、積立投資を始めるうえで押さえておきたいポイントを紹介してきました。世界の経済市場は、一時的な下落はあっても長期的な目で見れば成長を続けています。だからこそ、積立投資を始めるのに「遅すぎる」ということは決してありません。
一方で、より安定した資産形成を目指すなら、基本は一定額を、できるだけ長期で積み立てることが重要です。
無理のない金額で積立額を設定し、一時的な波に振り回されずに淡々と続けることが、着実な資産形成につながります。
まずは自分のライフプランや家計の収支を整理し、「いつまでに・何のために・いくら必要か」を明確にしたうえで、適切な投資スケジュールを組み立てていきましょう。
参考資料
斎藤 彩菜