多くの大学生が通る道である、就職活動。経団連が新卒の採用活動において策定している「採用に関する指針」の廃止により、今後の方向性がますます気になるところです。
学生側にとっても、ルールによって「いつから就活が始まるのか」「どのくらいの期間を就活に充てられるのか」が大きく左右されてしまいます。今回は、そんな先行き不透明な就活のルールを、あえて別の角度から見てみましょう。
大学1年生に内定を出したらどうなる?
「就活は早い時期からのほうがいい」と一概にいうことはできません。就活の前倒しによる学生への影響は大きく、「勉学に対する姿勢さえも変えてしまう」という声も聞かれます。たしかに、内定をもらって安心感を得た4年生は、勉強に対する意識が緩んでしまう可能性もあるでしょう。
そこで、久留米大学商学部の塚崎公義教授は「あえて1年生のうちに内定を出すスタイル」を提案しています。採用の基準は「現時点での能力」ではなく「入社後に育てて優れた社員になる可能性に賭ける」というもの。大学入試を終えたタイミングでの採用は、理にかなっているといえるでしょう。
大学側は、学生に対して「これからの4年間でこのようなことを学んでいきなさい。しっかり勉強すれば初任給にも反映されるだろう」と伝えます。学ぶ内容は大学での勉強だけでなく、資格の取得や海外留学、ボランティアなどさまざま。会社の方針に合わせた指示を出せば、4年間のうちにしっかりと学んできてくれるはずです。
就活生必見の「有価証券報告書」とは
就職先を選ぶにあたり、会社の規模や従業員の平均年齢などのデータは非常に重要となります。そこで、あらかじめ「有価証券報告書」に目を通しておきましょう。
この資料には、提出している会社の従業員数・平均年齢・平均年間給与などが開示されています。さらには、経営陣の経歴・大株主の状況・事業セグメント別の売り上げや利益といったデータも含まれています。
「入社後はどのくらいの年収が目指せるのか」「会社のメインとなる事業はどれなのか」といった情報も把握できるため、入社前だけでなく就活中にぜひ確認しておきたい資料です。理想的な企業に就職するためにも、事前に会社の状態を確認しておきましょう。