筆者がかつて勤めていた会社では、全国に何十店舗と支店があったにも関わらず女性の支店長がほとんどおらず、ある女性が支店長になったのをいいことに、たびたび会社説明会で講演をさせていました。会社説明会で話を聞いた人は、その人のように支店長になれる女性がたくさんいるかのように聞こえたことでしょう。

しかし、実際は古い体質の会社で、多くの女性は管理職になる前に出産を機にやめていました。男性社会のその会社で、産休や育休の理解を得るのはひと苦労だからです。また、時短勤務も制度こそあったものの、取得している人は少数でした。

当時の職種は営業で、金融業界でしたが新入社員は女性のほうが多くいました。ただ、女性のほうが真面目で営業成績がよくても、皆が皆、出産を機にやめるので、自動的に管理職まで上がれる人には男性が多くなるんですよね。

さらに女性には、育休という1年半のブランク以上に、管理職に上がれないという謎のペナルティのようなものもありました。同じかそれ以上に成果を出しているのに、同期の男性が管理職になってから2年経っても3年経っても、同じ管理職になれないのです。そういう職場では女性はキャリアを築けませんよね。

先輩社員と話せても安心しないほうがいい

就活の中で、リクルーターと呼ばれる現場の社員が就活生の話を聞いたり、会社のことを紹介したりするという制度があります。確かに、現場で実際に働く先輩に話を聞くということはとても大事ですよね。しかし、リクルーターとされる先輩社員の話を聞いただけで安心してはいけません。

リクルーターに任命される社員のほとんどは、それこそ会社に何の不満もなさそうな社員です。そこそこの成績で、上司にかわいがられ、成績以上の評価をしてもらっているような社員も多いのです。そういう社員から話を聞けば、それは素敵な会社に聞こえることでしょう。

しかし、実際にそういう社員はごく一部ですし、特に女性のリクルーターは限られており、現場の生々しい話を聞くことは難しいもの。可能であれば、大学のOB・OGや知人のツテで紹介してもらったりして、信頼できる人から話を聞きましょう。

まとめ

いかがでしたか。独身であれ結婚・出産経験者であれ、女性が活躍できる会社というのは、まだ日本では本当にごくわずかです。しかし、そんな中でも頑張ってキャリアを築きたいという人や育児も家事も仕事も頑張りたいという人もいますよね。そういう人にはぜひ、女性が活躍できる土壌のある会社を選んでほしいものです。

大塚 ちえ