10連休前には「令和」ご祝儀相場への期待感が溢れていたが…
前代未聞の10連休も終わり、新元号「令和」の時代が本格的に始まって1カ月半が過ぎようとしています。その「令和」が始まった途端に、雲行きが怪しくなったのが金融市場です。特に、株式市場は大幅下落となりました。
年初から順調に上昇基調を辿ってきた株式市場は、連休前の4月24日に日経平均株価が22,362円(ザラバ値、以下同)を付けました。昨年末の終値が20,014円でしたから、約4カ月間で+10%超上昇したことになります。
もちろん、個別銘柄で見ればもっと上昇した銘柄も多く、また、逆に下落した銘柄も珍しくありません。しかし、総じて上昇した銘柄が多かったのは確かです。
さらに、連休前までは株式市場の先行きに対して、期待感を込めた楽観的な見方が多かったのも事実です。“新時代「令和」で日本株が復活”とか、“「令和」のご祝儀相場で大幅上昇へ”のような見通しが溢れていたはずです。みなさんも覚えているのではないでしょうか?
年初から4カ月間で積み上げてきた上昇分がわずか1カ月でほぼ帳消しに
しかし、いざ連休が明けると株価は大幅下落が続き、6月4日には20,289円まで下落しました。前述した高値から見れば、▲2,000円超の下落(▲9.3%安)です。
ザックリ言ってしまうと、年初から4カ月かけてコツコツと+10%上昇した分を、たった1カ月でほぼ全部を吐き出したということでしょう。皆さんが保有していた株式や投資信託(ETF含む)も、大きく値下がりしたものと推察されます。これが正しく、株式投資のリスクと言えましょう。
現在、株式市場の先行きに対して大きな懸念を感じている人も多いはずですし、とりわけ、連休前にこうした金融商品を新たに購入したり買い増したりした人の不安は極めて深刻かもしれません。ここ1週間はやや戻り基調にあるとは言え(6月13日の終値21,032円)、依然として先行きは不透明と言えそうです。