2. 「支給率15%」と「支給率10%」の境界線は?

高年齢雇用継続給付の支給率は、誕生月によって変わります。現行制度では、以下のように定められています。

高年齢雇用継続給付の支給率2/3

高年齢雇用継続給付の支給率

出所:厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」をもとに筆者作成

  • 最大15%:2025年3月31日以前に60歳に達した人
  • 最大10%:2025年4月1日以降に60歳に達した人

生年月日が1日違うだけで、支給率が5%変わります。2025年3月31日以前に60歳に達している人は賃金の15%が支給されます。一方、2025年4月1日以降に60歳になった人や、これから60歳になる人は、賃金の10%が支給される仕組みです。2025年4月1日を境に、高年齢雇用継続給付の支給率が変わるとおさえておきましょう。

次章では、給付率5%の差が収入に与える影響を解説します。

3. 「給付率5%」の違いで収入はどれくらいの差になる?

給付率に5%の差があることで、収入にはどのような影響が生じるのでしょうか。実際にシミュレーションしてみましょう。

今回のシミュレーション条件は以下のとおりです。

  • 60歳時点の賃金:月額30万円
  • 再雇用後の賃金:月額18万円

高年齢雇用継続給付の支給率は、賃金の減額率に応じて変わります。上記の場合は賃金が60%にまで低下しているため、支給率は上限となります。よって、支給される給付金と収入は以下のとおりです。

給付金額と収入(支給率別)3/3

給付金額と収入(支給率別)

筆者作成


支給率15%

  • 給付金額:2万7000円
  • 収入(賃金+給付金):20万7000円

支給率10%

  • 給付金額:1万8000円
  • 収入(賃金+給付金):19万8000円

差額

  • 給付金額:9000円
  • 収入(賃金+給付金):9000円

月あたり9000円の差額が発生します。1年間給付金を受給し続けた場合の差額は10万8000円、64歳まで受給し続けた場合の差額は54万円にものぼります。

60歳以降の老後生活において、最大54万円の差額は決して小さなものではありません。物価高などの状況を考慮しても、2025年からの給付率減少は痛手といえます。給与以外の収入源の確保や、資産・貯蓄の取り崩しなどが、老後すぐに求められる可能性があるのです。