2026年度(令和8年度)の年金額改定が公表され、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額となることが決まりました。シニア世代の家計に影響する最新の動向が明らかになっています。

日本の公的年金制度は「2階建て」構造が特徴で、現役時代の働き方や収入によって、将来受け取れる年金額に大きな個人差が生まれます。

今回の改定では、厚生労働省から現役時代の年収や加入期間を基にした「5つのライフコース別モデル」が示され、ご自身の状況に近い受給額の目安を把握しやすくなりました。

また、3月は所得税の確定申告シーズンですが、年金受給者には手続きが簡略化される「確定申告不要制度」があります。一方で、医療費控除などを活用して税金の還付を受けられるケースも少なくありません。

この記事では、最新の年金額改定の詳細とライフコース別の受給額モデル、そしてスマートフォンで手軽になった確定申告の方法について、詳しく解説していきます。

1. 公的年金制度の基本をわかりやすく解説!

日本の公的年金には、老後の生活を支える老齢年金のほかに、けがや病気で仕事や生活に支障が出た場合に受け取れる「障害年金」、そして家計を支える方に万が一のことがあった場合に家族が受け取れる「遺族年金」という、3つの保障機能が備わっています。

一般的に「年金」というと、多くの方がリタイア後に受け取る「老齢年金」を思い浮かべるかもしれません。

1.1 国民年金と厚生年金からなる「2階建て構造」とは

「2階建て構造」と呼ばれる日本の公的年金制度は、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、2階部分の「厚生年金」で構成されています。この仕組みにより、現役時代の働き方が将来の年金受給額に大きく影響します。

ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本的な仕組みと、それぞれの「老齢年金受給額」について確認していきましょう。

1.2 1階部分:国民年金(基礎年金)の概要

加入対象者は?

  • 原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方(職業や国籍は問いません)

年金保険料は?

  • 全員一律ですが、年度ごとに改定されます(※1)

老齢年金の受給額は?

  • 保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳から満額(※2)の老齢基礎年金を受け取ることができます

※1 国民年金保険料:2026年度の月額は1万7920円です
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2026年度の月額は7万608円です

1.3 2階部分:厚生年金の仕組みについて

加入対象者は?

  • 会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たす方(国民年金に上乗せして加入します)

年金保険料は?

  • 収入に応じて変動します(上限あり)(※4)

老齢年金の受給額は?

  • 加入期間や納付した保険料額によって個人差が生じます

このように、国民年金と厚生年金では、加入対象者、保険料の決定方法、老齢年金額の計算方法などが異なります。

そのため、現役時代の年金加入履歴によって、実際に受け取る老齢年金額には自然と個人差が生まれるのです。

※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者や共済組合員は除く)の総数が51人以上となる見込みの企業などを指します
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて計算されます

1.4 【2026年版】年金支給日カレンダー一覧

公的年金は、原則として「偶数月の15日(※5)」に、直前の2カ月分がまとめて支給される後払い方式です。

2026年の「年金支給日」と「支給対象月」は以下の通りです。

2026年の年金支給日2/7

2026年の年金支給日

出所:日本年金機構「Q.年金はいつ支払われますか」をもとにLIMO編集部作成

  • 2026年2月13日(金): 2025年12月・2026年1月分
  • 2026年4月15日(水): 2月・3月分
  • 2026年6月15日(月): 4月・5月分
  • 2026年8月14日(金): 6月・7月分
  • 2026年10月15日(木): 8月・9月分
  • 2026年12月15日(火): 10月・11月分

※5 15日が土日・祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されます