5. 現役時代の「男女の年収差」が老後を直撃!? 国税庁データで見る給与の現実
厚生年金の受給額に男女差が生まれる根本的な原因として、現役時代の「給与の差」が挙げられます。ここでは、国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに、現在の男女の年収差の実態を見てみましょう。
5.1 男性の平均給与は約587万円、女性は約333万円
同調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者(全体)の1人当たりの平均給与は478万円でした。しかし、これを男女別に見ると大きな開きがあります。
- 男性の平均給与: 587万円
- 女性の平均給与: 333万円
男女間でなんと年間254万円もの差が生じています。この年収差の背景には、女性の非正規雇用率の高さが影響していますが、正社員(正職員)に絞ってみても、依然として格差は存在します。
5.2 雇用形態別の平均給与(男女別)
- 正社員(正職員)の場合: 男性 609万円 / 女性 430万円(差額:179万円)
- 正社員(正職員)以外の場合: 男性 271万円 / 女性 174万円(差額:97万円)
正社員同士で比較しても、男性の方が女性より平均して約179万円高くなっています。また、平均勤続年数においても、男性が「14.3年」であるのに対し、女性は「10.5年」にとどまっています。
このように、出産・育児等によるキャリアの中断や、役職への登用割合の違いから生じる「勤続年数と給与の差」が、生涯賃金の差を生み、結果として老後の厚生年金の受給額に月額数万円単位の格差をもたらしていることがわかります。
現役時代の収入格差が老後の「年金格差」を引き起こすという現実を踏まえると、特に女性は公的年金だけに頼るのではなく、iDeCoやNISAなどを活用した「自助努力」による計画的な資産形成がより一層求められると言えるでしょう。
