3月は新年度を前に、年金額の改定や制度変更に注目が集まる時期です。
2026年度は年金額が引き上げられ、「標準的な夫婦世帯」で月額23万7279円と、前年度より4495円の増額が見込まれています。
しかし実際には、「自分はどのくらいもらえるのか」「月15万円以上もらえる人はどれくらいいるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。年金額には個人差があり、平均値だけでは実態が見えにくいのが現実です。
本記事では、厚生年金の受給額分布から「月15万円以上」の割合を読み解き、平均受給額の実態を整理。
さらに、今後重要となる私的年金制度の改正ポイントも解説します。老後資金を考えるうえでの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
1. 日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造
日本の公的年金制度は、土台となる「国民年金(基礎年金)」と、その上に積み重なる「厚生年金」で構成されており、一般に「2階建て」と表現されます。
まずは、この2つの年金制度の基本的な仕組みを整理していきましょう。
【1階部分】国民年金(基礎年金)
- 加入対象:原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
- 保険料:全員定額、ただし年度ごとに改定される(※1)
- 受給額:保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受給できる。未納期間分に応じて満額から差し引かれる
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
【2階部分】厚生年金
- 加入対象:会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所(※3)で働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料:収入に応じて(上限あり)決定される(※4)
- 受給額:加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
上乗せ部分にあたる厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に加えて加入する制度です。
国民年金と厚生年金では、加入の対象者、保険料の決まり方、受給額の算定方法などに違いがあります。
こうした違いから、老後に受け取る年金額は、それぞれの加入歴や収入状況によって差が生じます。
さらに、公的年金の支給額は、物価や現役世代の賃金動向を踏まえて毎年調整される仕組みになっている点も押さえておきたいポイントです。
※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
