3. 公的年金制度にまつわる「3つの誤解」とは?
ここからは、公的年金制度についてよく聞かれる3つの誤解を解き明かしていきます。
3.1 誤解1:日本の年金制度は将来破綻する?
日本の公的年金制度には、「マクロ経済スライド」という給付額を調整する仕組みが備わっています。
この制度は、社会情勢の変化(少子高齢化や平均寿命の延伸など)に応じて、年金の給付水準を自動的に調整する役割を担っています。
このように、財政バランスを維持するための仕組みが組み込まれているため、年金の支給が突然停止するような事態は想定しにくい構造になっています。
したがって、議論の焦点は「破綻するか否か」ではなく、将来にわたってどの程度の給付水準を維持していくかという点にあると言えます。
3.2 誤解2:年金保険料は今後も上がり続ける?
厚生年金の保険料率は2017年を最後に18.3%で固定されており、制度上、これ以上引き上げられることはありません。
また、厚生労働省の「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー令和6(2024)年財政検証結果 ー」によると、女性や高齢者の就労参加が進んだことで保険料収入が増加し、年金積立金の残高は当初の想定を約70兆円上回る見込みです。
このように、単に負担だけが増え続けるという単純な構造ではないことも、理解しておきたい重要なポイントです。
著者
ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格(証券外務員一種)/TLC(生保協会認定FP)
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格(証券外務員一種)、TLC(生保協会認定FP)、その他資格保有。大阪の摂南大学を卒業後にブレイクダンスインストラクターという異色の経歴を持つ。その後、ジブラルタ生命保険に入社しルーキーながら受賞歴多数。特に地域のお客様を中心に資産運用、介護などについて幅広いお金の問題解決に従事していた。現在は金融IT企業で個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。沖縄県沖縄市出身。
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)