では、有給休暇の給与はどうなるのでしょうか。有給休暇の給与は、労働基準法で以下の3パターンから選択するよう定められています。

1. 所定労働時間働いたものとして支払われる通常の額
2. 平均賃金
3. 標準報酬日額(労使協定で定めた場合のみ)

「所定労働時間」は1日の労働時間を指し、一般的には8時間になっています。「平均賃金」は、直近3か月間の給与の総額を期間中の総日数(暦日数)で割った金額のこと。「標準報酬日額」は、社会保険料の計算に用いられる標準報酬月額を30で割った金額を指します。

3は労使協定という手続きが必要のため、1か2を選択している会社が多いでしょう。そこで、1と2のケースを「月給25万円、月の平均勤務日数が20日、1日の所定労働時間が8時間」という条件で計算してみました。

【所定労働時間の場合】
先ほどの給与を時給に換算すると、「25万円÷20日×8時間=1,562.5円」となり、「1,562.5円×8時間=12,500円」が1日分の有給休暇の給与になります。

【平均賃金の場合】
「残業ゼロ、毎月額面の給与が25万円」とすると、1月、2月、3月で平均賃金は「(25万円+25万円+25万円)÷(31日+28日+31日)=8,334円」となります。この金額が1日当たりの有給休暇の給与です。

2通りの計算の結果、平均賃金のほうが1日当たり約3割も低いことが分かりました。同じ有給休暇でも、計算方法によってはこれだけの差があるのですね。

まとめ

海外に比べ、有休に対して消極的な日本の労働者たち。この状況を変えるには、社会全体が「有休は取得して当たり前」と捉える必要がありそうです。義務化された以上、今後はためらわずに有休を取得していきましょう。

LIMO編集部