株式市場の振り返り―欧米市場の株価下落を受けて大幅下落に
2016年2月9日(火)の東京株式市場は、大幅な反落となりました。日経平均株価は前日比▲5.4%下落、TOPIXは▲5.5%下落で引けています。日経平均株価が▲5%以上下落したのは2013年6月12日以来、TOPIXが▲5%以上下落したのは2015年8月24日以来です(いずれも終値ベース)。
前日の欧米株の大幅下落と円高による嫌気が先行し、日経平均株価は前日比▲337円安の1万6,666円で始まりました。寄り付き後も下落が続き、一時は▲700円を超える大幅下落となっています。結局、前場は全面安となり、日経平均株価は1万6,168円(▲836円安)で引けました。一時114円台の円高をつけた為替相場を受けて、麻生財務大臣が記者会見において「引き続き注視する」と発言しています。また、10年物国債利回りは一時、初めてのマイナス金利を記録しました。
円高が続いた後場はさらに下げ幅を広げ、日経平均株価は一時▲978円安となり、16,000円台割れ寸前まで下落しました。最後は若干戻したものの、日経平均株価は▲918円安で終わっています。
なお、新興市場も同様の展開となり、大幅に下落しました。
東証1部の下落銘柄数は上昇27銘柄、値下がり1904銘柄、変わらず6銘柄でした。東証1部の出来高は31億7335万株、売買代金は3兆556億円(概算)でした。
セクター動向と主要銘柄の動き―33業種全てが下落、金融株の下げがきつい
東証33業種の全てが下落しました。その中で下落幅が小さかったのは、食料品▲2.5%、空運業▲3.1%、陸運業▲3.3%などであり、逆に下落率が大きかったのは、証券業▲7.3%、銀行業▲7.3% 、海運業▲7.1%などでした。全面安の中、証券や銀行などの金融株が大きく売られた一方で、内需関連銘柄の下落率が相対的には小幅に止まったことが特徴です。
個別銘柄では、チケット価格(入場料)の値上げを発表したオリエンタルランド(4661)、取締役選任の一本化で合意に至ったクックパッド(2193)などが上昇しました。一方、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)などの証券株、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などのメガバンク株、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)など海運株の大幅下落が目立ちました。
本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―外部要因に左右される展開続きそう
VI(日経平均ボラティリティー・インデックス)も、+9.71ポイント上昇(+29.6%上昇)して42.47ポイントとなりました。投資家が今後も相場が大きく変動すると予想していることが伺えます。本日の相場急落は、昨晩の欧米市場の急落を引き継いだ形ですが、為替相場も含めて、落ち着く気配はなかなか見られません。しばらくは海外株式市場、春節明けの新興国市場、原油価格相場などの外部要因を見ながらの神経質な展開が予想されます。
下落相場の中でも、とりわけ、メガバンクを始めとする金融株の下げが厳しい状況です。逆に、これら金融株の下げ止まりが、今後の相場を占うきっかけになるかもしれませんので、要注目です。
【2016年2月10日 投信1編集部】
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LIMO編集部