4. 【注意ポイント】単身世帯と夫婦世帯で異なる負担割合の決まり方
後期高齢者医療制度では、医療費の窓口負担割合を判定する際、個人ごとの収入だけを見るのではなく、同一世帯に属する後期高齢者全員の所得状況を合算して判断する仕組みが採られています。
そのため、「本人の収入が少ない=負担は軽い」とは必ずしも言えない点に注意が必要です。
具体的には、本人の年金収入が比較的低い場合でも、同じ世帯にいる配偶者などに一定以上の所得があると、世帯全体として「現役並み所得者」と判定されることがあります。この判定を受けると、医療機関での自己負担割合は3割となります。
判定基準のひとつとして押さえておきたいのが、世帯内に課税所得145万円以上の後期高齢者がいるかどうかという点です。該当者がいる場合、その世帯は原則として現役並み所得者とみなされ、3割負担となる可能性が高くなります。
特に、夫婦のうち一方に収入や年金が集中している世帯では、単身世帯と比べて世帯合算による判定基準を超えやすい傾向があります。
「自分個人の所得」ではなく、配偶者を含めた世帯全体の所得水準によって負担割合が決まるという制度の考え方を、事前に理解しておくことが重要です。
著者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)