3. 「収入は年金のみ」3割負担になる人はどのくらいいる?

前述のとおり、公的年金の収入が年間383万円(月額換算で約32万円)を超えると、医療費の自己負担割合が3割となる可能性があります。

では、実際にどの程度の人がこの水準に該当するのでしょうか。

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、受給額ごとの受給権者数を見てみましょう。

3.1 【受給額ごとの受給権者数】

  • ~1万円:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上~:1万9283人

※基礎年金部分を含む。

厚生年金を含めて月額30万円以上を受け取っている人は約2万人にとどまり、受給者全体から見るとごく少数です。

このことから、年金収入のみで生活している場合、医療費の自己負担は1割または2割に収まるケースが大半と考えられます。

3割負担に該当するかどうかは、年金以外の所得や世帯の収入状況によっても変わるため、自身の所得区分を事前に確認しておくことが大切でしょう。

4. まとめにかえて

後期高齢者医療制度では、「3割負担になるのでは」と不安を感じる方も多いかもしれません。

しかし実際には、現役並み所得と判定される人は限られており、年金収入のみで生活している場合は1割または2割に該当するケースが大半です。

大切なのは、年金額だけで判断するのではなく、課税所得や世帯全体の収入を含めて仕組みを正しく理解しておくことでしょう。

医療費の自己負担割合は、75歳を迎えたあとも毎年の所得状況によって見直されます。

働き方や資産の取り崩し方、家族構成の変化によって区分が変わる可能性もあるため、「今は関係ない」と思わず、あらかじめ目安を知っておくことが大切です。

将来の医療費は誰にとっても見通しづらいものですが、制度の基本を押さえておけば、必要以上に不安を抱く必要はありません。

今回の内容をきっかけに、ご自身の収入水準や世帯状況を確認しながら、老後の医療費のイメージを少しずつ具体化してみてはいかがでしょうか。

参考資料

加藤 聖人