2. 「オルカン」VS「S&P500」:パフォーマンスの差は運用の中身の違い

「全世界」と「米国」、一見すると全く別物のように思える2つのファンドですが、実は「中身の主役」は驚くほど似ています。

それなのに運用実績に差が生まれるのはなぜでしょうか。その理由は、上位銘柄の「比率」と「投資エリアの広さ」にあります。

2.1 上位銘柄はほぼ同じ!「主力エンジン」は共通

まず驚くべきは、両ファンドの組入上位銘柄です。

どちらのファンドも組入銘柄の上位5位は以下のとおり同じです(2026年1月30日基準)。

1位:NVIDIA
2位:Apple
3位:Microsoft
4位:AMAZON.COM INC
5位:ALPHABET INC-CL A

このように、世界を牽引する巨大IT企業「ビッグテック」がどちらのファンドでも中心的な役割を果たしています。つまり、どちらに投資しても「世界最強クラスの企業の成長」を享受している点では同じなのです。 

2.2 リターンを分けるのは「比率」の違い

同じ銘柄が入っているのにリターンに差が出る最大の理由は、その「比率」です。

S&P500:米国株100%

米国企業500社のみで構成されるため、上位のNVIDIAやAppleといった企業の比率が非常に高くなります。米国ハイテク株が絶好調な時期(過去5年など)には、この「濃さ」が爆発的なリターンを生む原動力となります。

オルカン:米国を主軸にした世界分散

オルカンも約6割は米国株ですが、残りの約4割に日本、欧州、新興国などが含まれます。そのため、1位のNVIDIAなどの比率はS&P500に比べて低く抑えられています。

2.3 「他国への分散」が守りや逆転の鍵に

直近1年間のリターンでオルカンがS&P500を上回ったのは、まさにこの「米国以外の4割」が機能したからです。

米国のハイテク銘柄が足踏みしている時期や、日本株や欧州株が相対的に好調な時期には、米国一本に絞っているS&P500よりも、広く分散しているオルカンのパフォーマンスが良くなる傾向があります。

「どこが一番伸びるか」を米国だけに賭けるのがS&P500、米国をメインにしつつも「他の国が伸びた時のチャンスも逃さない」のがオルカンといえます。

3. まとめ

結局のところ、オルカンとS&P500のどちらが「正解」だったのか、その答え合わせができるのは20年、30年後かもしれません。

大切なのは、短期的な値動きに一喜一憂せずに、長い目で資産の成長を見守ることです。

【投資に関するご注意】 本記事は、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。投資には元本を割り込むリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行われるようお願いいたします。

参考資料

和田 直子