2. 遺産についての考え|子どもに残す?使い切る?

70歳代になると相続について本格的に考える方が多くなりますが、「遺産」についてはどのように考えているのでしょうか。

可能な限り子どもに残すのか、それとも自分たちで自由に使い切るのか、世帯により考えはさまざまです。

金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」では70歳代・二人以上世帯の「遺産についての考え方」の調査も行っています。

最も多かったのは「老後の世話の有無や家業を継ぐなどに関わらず、子どもに財産を残したい」という回答で、34.2%という結果でした。

では、「子どもに残す派」と「使い切る派」それぞれの理由と回答割合を見ていきましょう。

2.1 【子どもに残す派:52.6%】

  • 老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐかなどに関わらず子どもに財産を残してやりたい34.2%
  • 老後の世話をしてくれるならば、子どもに財産を残してやりたい:16.6%
  • 家業を継いでくれるならば、子どもに財産を残してやりたい:1.8%

2.2 【使い切る派:33.8%】

  • 子どもはいるが、自分たちの人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:23.2%
  • 財産を残す子どもがいないうえ、自分たちの人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:8.8%
  • 財産を残す子どもがいないので、社会・公共の役に立つようにしたい:1.0%
  • 財産を当てにして働かなくなるといけないので、社会・公共の役に立つようにしたい:0.8%

【その他:13.6%】

子どもに残したいと考えている方は52.6%、使い切ると考えている方は33.8%という結果でした。

過半数が「残す」と答えていることから、資産は家族の財産であり、引き継ぐものという認識は依然として根強いことがうかがえます。

長引く物価高を受け、子どもの将来の経済的安定を助けたいという親心が反映されているといえるでしょう。

しかし、子どもに残したい方でも、老後の世話をしてくれるか、家業を継いでくれるかなどの条件が付されているケースもあり、無条件に残したい方は3割ほどとなっています。

一方、老後を楽しむために自分たちで使い切りたい方は32%で、日本ではこれまでにはなかった傾向です。

自分たちの人生の質を高めるだけでなく、医療費や介護費用などを自分達でカバーし、子どもに迷惑をかけたくないという思いもあるのではないかと考えられます。