4. 【補足情報】売却益が「雑所得」と見なされる場合
前の章では、純金積立の売却益にかかる税金の基本的な仕組みについて見てきました。
ここでは補足として、実際に「金を現金化する場面」で注意したい点を整理します。
給与所得者などの個人が、純金積立によって取得した金を売却し、現金化した際に得られる利益は、原則として「譲渡所得」に区分されます。
これは、長期的な資産形成の一環として金を保有し、必要なタイミングで売却するケースを想定した取り扱いです。
一方で、短期間に何度も購入と売却を繰り返すなど、営利を目的とした継続的な取引と判断される場合には、その実態に応じて「雑所得」とみなされる可能性もあります。
どちらに該当するかは、取引頻度や目的、状況などを総合的に見て判断されるため、一律に決まるものではありません。
税務上の扱いは個々のケースによって異なるため、不安がある場合は、事前に所轄の税務署や税理士へ相談し、確認しておくと安心でしょう。
5. 純金積立は長期的な視点で取り組む「資産形成の選択肢の1つ」
この記事では、純金積立の基本的な仕組みや注意すべきリスクに触れつつ、2025年末時点までのデータを用いた運用シミュレーション結果を紹介しました。
純金積立は、金価格の上昇局面では大きな成果が期待できる一方、価格変動や手数料、税金といった注意点も併せ持つ投資手法です。
過去10年のシミュレーションでは高い運用益が確認できましたが、同じ結果が将来も続くとは限りません。
それでも、毎月一定額を積み立てることで価格変動リスクを抑えやすく、資産分散の一部として取り入れやすい点は大きな特長です。
純金積立は「一攫千金」を狙う投資ではなく、時間を味方につけてじっくり価値を積み上げていく資産形成といえるでしょう。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
執筆者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
秋田県秋田市出身。宇都宮大学教育学部卒業後、株式会社栃木銀行に入行。主に個人リテール業務へ従事。若年層から富裕層まで幅広い世代へ投資信託・保険を中心に総合的なライフプランニングを行ってきた。リテール営業行員内で上位の成績を保ち、全行員内1位の成績を収める。また、社内教育にも尽力し、人材育成にも携わる。
現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。(2024年4月15日更新)
監修者
マネー編集部貯蓄班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月23日)