物価高が続くなか、日々の家計をどのように守っていくか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
2026年2月13日(金)は、今年最初の年金支給日です。
年金の支給は原則として偶数月の15日ですが、2026年2月15日は日曜日にあたるため、その直前の平日である13日に2025年12月分と2026年1月分の2カ月分が支給されます。
年金の受給額は人それぞれ異なりますが、実際にどれくらいの方が十分な年金を受け取れているのでしょうか。
特に、会社員や公務員だった方が受け取る厚生年金は、現役時代の収入や加入期間によって大きく変わります。
この記事では、厚生年金と国民年金を合わせた受給額が、2カ月で30万円(月額換算で15万円)以上になる人がどのくらいの割合で存在するのか、最新の公的データをもとに詳しく見ていきます。
1. 日本の公的年金制度の基本「2階建て構造」とは?国民年金と厚生年金の仕組みを解説
日本の公的年金制度は、土台となる「国民年金(基礎年金)」と、その上に乗る「厚生年金」で構成されており、しばしば「2階建て構造」と呼ばれます。
ここでは、2つの年金制度の基本的な仕組みについて確認していきましょう。
1.1 公的年金の「2階建て」の構造について
1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」
- 加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
- 保険料:加入者全員が定額ですが、年度ごとに見直されます(※1)
- 受給額:保険料を全期間(480カ月)納付すると、65歳から満額の老齢基礎年金(※2)を受け取れます。未納期間がある場合は、その期間に応じて満額から減額されます
※1 2026年度の国民年金保険料は月額1万7920円です。
※2 2026年度の老齢基礎年金の満額は月額7万608円です。
2階部分にあたる「厚生年金」
- 加入対象:会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入します
- 保険料:収入に応じて決まります(上限あり)(※4)
- 受給額:加入していた期間や納めた保険料によって個人差が生じます
2階部分である厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に加えて加入する制度です。国民年金と厚生年金では、加入の対象者、保険料の決め方、受給額の計算方法などが異なります。
このため、老後に受け取る年金額は、個人の加入状況や現役時代の収入によって差が生まれる仕組みになっています。
また、公的年金の額は物価や現役世代の賃金の変動に応じて毎年見直されるという点も、知っておきたい大切なポイントです。
※3 特定適用事業所とは、1年のうち6カ月以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者や共済組合員は除く)の総数が51人以上となる見込みの企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を掛けて算出されます。
2. 2026年度の年金額改定をチェック!4年連続のプラス改定でいくら増える?
公的年金の支給額は、毎年度、賃金や物価の動きを考慮して改定されます。2026年度分については、国民年金(基礎年金)が前年度比で1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の増額となり、4年連続でのプラス改定となりました。
- 国民年金(老齢基礎年金・満額):7万608円(1人分 ※1)
- 厚生年金:23万7279円(夫婦2人分 ※2)
※1 昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円(前年度比+1300円)となります。
※2 平均的な収入(賞与を含む平均標準報酬の月額換算で45万5000円)の男性が40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金満額)の給付水準です。
国民年金のみの加入の場合、満額(※3)でも月々の受給額は約7万円です。仮に繰下げ受給(※4)の上限である75歳まで受給開始を遅らせたとしても、月額は13万円に届きません。
※3 国民年金(老齢基礎年金)の満額とは、国民年金保険料を480カ月納付した場合に65歳から受け取れる年金額を指します。
※4 繰下げ受給とは、老齢年金の受給開始を66歳から75歳までの間に遅らせる制度です。「繰下げ月数×0.7%」の増額率が適用され、75歳で受給を開始すると増額率は84%になります。
3. 厚生年金と国民年金を合わせて月額15万円以上受け取れる人の割合は?
厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の男女合計の平均月額は「15万289円」でした。
この金額には、1階部分である国民年金(老齢基礎年金)の月額分も含まれている点に注意が必要です。
受給額ごとの人数分布は、以下のようになっています。
3.1 厚生年金の受給額別・受給権者数の分布
- 1万円未満:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
データを見ると、厚生年金を月額15万円以上受給している人は全体の49.8%であり、半数を下回っています。
厚生年金を受給していない国民年金のみの加入者を含めて計算すると、この割合はさらに下がると考えられます。
続いて、「令和7年度税制改正」で変更された所得税の基礎控除額や、源泉徴収の仕組みについて見ていきましょう。
4. 令和7年度税制改正のポイント:所得税の基礎控除と源泉徴収の変更点
「令和7年度税制改正」によって、所得税の基礎控除額が変更されました。
この改正に伴い、公的年金から源泉徴収が行われない年金額の上限が、現行の「158万円未満」から「205万円未満」へと引き上げられました(65歳未満の場合は「108万円未満」から「155万円未満」への引き上げ)。
令和7年分の公的年金における源泉徴収額の計算で用いられる基礎控除額は、以下の通りです。
4.1 【2025年】年齢で異なる公的年金の源泉徴収計算に使う基礎控除額
65歳以上
-
2025年12月の精算時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 10万円(16万5000円未満の場合は16万5000円)
-
2025年の各月の年金支給時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 6万5000円(13万5000円未満の場合は13万5000円)
65歳未満
-
2025年12月の精算時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 10万円(12万5000円未満の場合は12万5000円)
-
2025年の各月の年金支給時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 6万5000円(9万円未満の場合は9万円)
4.2 2025年分所得税の源泉徴収と還付の仕組み
この税制改正により、2025年12月の年金支給時に「1年間の最終的な税額」と「それまでに源泉徴収された税額」が精算されます。
もし税金を払い過ぎていた場合は、その差額が還付されることになります。
5. 老後の生活設計のために、自身の年金情報を確認しよう
この記事では、厚生年金と国民年金を合わせて月額15万円以上受給している人の割合について解説しました。
データによると、厚生年金受給者のうち月額15万円以上を受け取っている人は49.8%です。
厚生年金に加入していなかった人を含めると、この割合はさらに低くなることが予想されます。
実際に受け取れる年金額は個人によって大きく異なるため、老後に向けた生活設計を立てる際には、日本年金機構が提供する「ねんきんネット」や、毎年送られてくる「ねんきん定期便」でご自身の年金情報を確認しておくことが大切です。
※当記事は再編集記事です。




