2月は新年度の制度改定や年金額の見直しが話題になり始める時期です。物価上昇が続くなか、年金だけで生活する高齢世帯では家計への不安を感じる方も少なくありません。
年金だけでは生活が厳しい方を支援する「年金生活者支援給付金」をご存じですか?受け取りの条件を満たしていても、申請をしなければ受け取れません。
厚生労働省の資料によると、高齢者世帯の43.4%が年金のみで生活し、55.8%が「暮らし向きが苦しい」と回答しています。物価上昇が続く中、給付金だけに頼らず支出を見直す意識も必要です。
本記事では、老齢・障害・遺族年金に上乗せされる給付の支給額や対象条件、を整理します。制度の内容を早めに確認し、受給漏れを防ぐ参考にしてください。
1. 低所得の年金受給者を支える制度|支援給付金の対象条件とは
年金生活者支援給付金は、年金収入や所得が一定水準に満たない受給者を、経済的に支えるための仕組みです。
手続きは、日本年金機構から郵送される「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」を返送することで完了します。届いたら早めに提出することが大切で、手続きが遅れると給付を受けられない期間が生じる恐れがあります。
2. 2026年度の支給額はどう変わる?老齢・障害・遺族別の給付水準
2025年度の月額給付金は次の通りです。
- 老齢:基準額5450円(保険料納付済期間40年満額の場合)
- 障害:1級6813円、2級5450円
- 遺族:5450円
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円※
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
※
保険料納付済期間に基づく額(月額) =5450円×保険料納付済期間÷被保険者月数480月
保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1551円×保険料免除期間÷被保険者月数480月
通常の年金と同様に、年金生活者支援給付金も毎年改定されます。厚生労働省によると、2026年度の月額給付金は以下の金額になる見込みです。
- 老齢:基準額5620円
- 障害:1級7025円、2級5620円
- 遺族:5620円
前年度と比べて約3.2%の増額となり、老齢給付金では月170円のプラスです。物価の動きを反映して4月分から新しい金額が適用されますが、実際に振り込まれるのは6月以降になります。
3. 「支出を抑える」というアプローチも意識しよう
厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯は公的年金・恩給への依存度が高い構造が明確です。
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで、「公的年金・恩給の総所得に占める割合が 100%の世帯」は43.4%という結果でした。
つまり、4割以上の高齢者世帯では、賃金収入や資産所得などの収入がありません。年金水準や物価変動、医療・介護などの支出変動が、生活の安定性に直結しやすいといえるでしょう。
生活意識(暮らし向きの自己評価)を見ると、全世帯では「苦しい(大変苦しい+やや苦しい)」が58.9%で、高齢者世帯でも55.8%と過半に達しています。
高齢者世帯は全体よりやや低い一方で、「体感としては苦しい」が多数派である点は見落とせません。昨今のように固定費や日常生活費の支出(光熱・食料、医療介護等)が上昇すると、家計が苦しくなってしまうでしょう。
特に、年金生活者支援給付金を受給している方は年金額が少ないため、物価上昇の影響は深刻です。可能な範囲で働いたり、支出を抑えたりする意識を持たなければ、どんどん生活が苦しくなってしまうかもしれません。
4. 制度理解を深めて安心につなげる|給付金確認の重要ポイント
年度替わりが近づく2月は、年金額改定や給付制度の情報が更新されるタイミングでもあります。年金生活者支援給付金は、住民税非課税世帯など一定条件を満たす年金受給者の生活を支える重要な制度です。
2026年度は給付額の増額が予定されており、該当する可能性のある方にとっては家計を支える心強い支援となるでしょう。
年金生活者支援給付金のような、条件を満たせば受け取れる制度を確実に活用することは家計の安定につながります。
申請が必要な場合もあるため、日本年金機構からの通知や自治体からの案内を確認しておくことが大切です。
新年度を安心して迎えるためにも、自分が対象になるかどうかを一度確認しておきましょう。制度の見直しが行われるこの時期に、給付金の内容をチェックしておくことをおすすめします。
参考資料
柴田 充輝