2. 「給付付き税額控除」は誰にどのような恩恵があるの?
給付付き税額控除は、所得税を減らす「税額控除」と、現金を支給する「給付」を組み合わせた制度です。
この制度の最も大きな特徴は、本来納めるべき税額よりも税額控除の金額が大きい場合、控除しきれなかった差額分が現金で給付される点にあります。
この仕組みがあることで、所得が少なく納税額が低い方や、所得が基準を下回り所得税が非課税となっている世帯にも、支援が行き渡るように設計されています。
制度による支援の受け方は、所得に応じて主に3つのパターンに分かれます。「税額控除のみを受けるケース」「税額控除と現金給付の両方を受けるケース」「現金給付のみを受けるケース」です。具体的な例を見ていきましょう。
2.1 【具体例】控除額10万円の場合の3つのケース
ケース1:中・高所得層
- 所得税の納税額が30万円(控除額10万円を上回る場合)
- 適用内容:10万円の全額が税額控除として減税されます。
- 得られる効果:納税額が20万円に減額され、税負担が軽減されます。
ケース2:低所得層
- 所得税の納税額が8万円(控除額10万円を下回る場合)
- 適用内容:納税額8万円分が減税され、納税は不要になります。さらに、控除しきれなかった差額の2万円が現金で支給されます。
- 得られる効果:税金の支払いがなくなるだけでなく、2万円の現金を受け取れます。
ケース3:非課税世帯
- 所得税の納税額がゼロの場合
- 適用内容:所得税の支払いがないため、控除額である10万円が全額現金で支給されます。
- 得られる効果:これまでの減税策では支援対象外だった世帯にも、直接的な経済支援が届きます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元銀行員/一種外務員資格(証券外務員一種)/LIMOマネー編集部金融ライター
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて後方事務や法人営業部門のアシスタント事務を経験。その後、三井住友信託銀行に転職し、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。
15年以上にわたり金融機関に在籍し、現役世代からシニア層、富裕層まで延べ1000名以上の個人顧客に対し、資産運用コンサルティングや承継対策を提案。表彰歴多数。現在は、株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』にて企画・執筆・編集・監修を幅広く担当。
15年以上の金融機関キャリアに加え、自身も20年以上の投資経験(投資信託・株式・FX・金など)を持つ。金融のプロ・現役投資家・生活者(出産・育児経験)の3つの視点から、年金制度の仕組み、社会保障、NISAや住宅ローン、相続まで分かりやすく解説。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数獲得。【2026年6月29日更新】
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)