当たり前のように女子が、男子を呼び捨てにするのは学校生活でも同じです。現在の小・中・高校生に聞いてみたところ、女子が男子を呼び捨てにし、男子は女子を「さん」付けにする風潮があり、これが多数派なのだと言います。関東近辺に限らず、広く全国的に見られる風潮のようです。

この風潮が始まったのは、おおむね昭和と平成の境。周囲の女性会社員10人ほどに学校生活の様子を聞いたところ、昭和生まれには皆無でした。対して平成生まれは、ごくありふれた光景であったという声が圧倒的な多数を占めていました。

ちなみに平成一桁生まれのなかには、苗字ではなく「小学校時代は、名前を呼び捨てしていた」という思い出を語ってくれる女性もいました。その後、中・高校時代には苗字を呼び捨てにすることが多くなったのだとのことでした。

平成から令和に変わり、呼び捨て女子はどう変化する?

今回、聞いた範囲では、呼び捨て女子を問題視する声はほとんどありませんでした。気になるのは、問題視する声が少なすぎることです。

どちらも呼び捨て、あるいは「さん」か「くん」付けにしているなら納得できます。お互い様ですから。一方だけ呼び捨てでは、不平等に感じます。もちろん当人たちがよければ他人が口をはさむのは、よけいなお世話ではありますが。

というのは、小・中校生の一部男子には不満をもらす声もないわけではないのです。

「男子はちゃんと『さん』付けにするのに、女子だけ!」と言いますが、高校生になるとほとんど聞かれなくなるのです。

小・中校生なら無邪気に本心を語っても、高校生ともなれば不満を持っていながら「触らぬ女子に祟りなし」的に不快を表さなくなるのかなとも思ってしまうのです。おとなたちが問題視しないのも「ものわかりの悪いおとな」になりたくないという気持ちからでなければいいなと思うばかりです。

令和生まれの女子は、男子をどう呼ぶのでしょうか。

間宮 書子