2024年1月にスタートした新NISA制度。日本証券業協会によると、大手証券10社の2025年末でのNISA口座数は1800万件を超えました。利用者が増え続けている新NISA制度を最大限に活かすには、仕組みを知るだけでなく、「どの商品を、どう組み合わせて活用するか」という視点を持つことが重要です。
本記事では、ファンドアナリストの篠田尚子さんが金融経済YouTubeチャンネル「ミライド」で解説した、新NISA制度の基本、非課税枠の仕組み、そして活用方法についてまとめます。
1. 戦略の前に知っておきたい、新NISA制度の基本
1.1 非課税期間が無期限に。新NISAの基本構造
2014年から続くNISA制度ですが、2024年の改正によって利便性が大きく向上しました。篠田さんは「第一に、制度自体が恒久化されたので、旧制度のように焦って始める必要はなく、ご自身の準備が整ってから始めても十分に間に合います」と解説します。
具体的に何が変わったのか、主なポイントを整理します。
・非課税枠の種類:「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、併用が可能。成長投資枠は一括投資もできる。
・投資可能額と期間:生涯の非課税限度額は「1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)」に拡大。
・保有期間:非課税期間が無期限となり、制度自体も恒久化された。
1.2 「非課税枠の再利用」を有効活用する
新NISAの大きな特徴として、一度使った非課税枠の「再利用」が可能になった点が挙げられます。
年度途中で商品を売却した場合、購入時の価格相当分(これを簿価と言います)の非課税枠が翌年以降に復活します。これにより、年間上限(360万円)を活用しながら、最大1800万円以上の非課税枠を実質的に活用できます。
2. 成長投資枠は「自由投資枠」。無駄なく枠を使い切る方法とは
成長投資枠は、篠田さんが「自由投資枠」と表現するように、柔軟な使い方が可能です。
この枠では、積極的なリターンを追求する商品だけではなく、守りの要素が強い商品もラインナップされています。
また、個別株やETFは売買単位が設定されているため、非課税枠を使いきれずに端数が出がちです。しかし、100円から金額を指定して購入できる投資信託を併用すれば、非課税枠を無駄なく使い切ることができます。
投資信託の組み合わせ次第では、リスク分散もでき、少額からでも戦略的なポートフォリオ構築が可能です。
3. アクティブファンドの本質とは
現在の投資信託の主流は、インデックスファンド(日経平均など特定の指数に連動する商品)です。しかし、新NISAの成長投資枠を活かすなら、プロが銘柄を厳選する「アクティブファンド」の活用も見逃せません。
一般的にアクティブファンドは、「市場平均を上回るリターン」を追求することばかりが注目されがちですが、篠田さんは「本質はそこではない」と指摘します。
単にリターンを追うだけでなく、市場平均よりもリスクを抑えて堅実に運用するなど、目的に応じて使い分けられる柔軟性こそが、アクティブファンドの真のメリットなのです。
4. 投資家が知るべきリスクの考え方
投資信託選びにおいて、リターン(利益)以上に重要なのが、「リスク(下落)」への向き合い方です。
金融の世界には、「リターンの非対称性」と呼ばれる性質があります。 これは、一度大きく下落すると、元の水準に戻すために下落率以上の上昇が必要になるという性質です。
だからこそ、篠田さんは強調します。「大きなリターンだけを見るのではなく、相場の下落時にどれだけ下落幅(ドローダウン)を抑えられるかという『守りの力』こそが、最終的な資産形成の鍵になります」。
5. ポイントまとめ
・新NISAの非課税枠は、売却後に翌年以降復活する「再利用」の仕組みがあり、実質1800万円以上の活用が可能。
・成長投資枠は、一括投資と積立の併用が可能であり、守りの要素が強い商品もラインナップされる「自由投資枠」として活用できる。
・銘柄選定では、暴落時の下落幅(ドローダウン)を抑える視点も重要。
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ミライド