2.2 消費税の「逆進性」を緩和するため
もう一つの重要な目的は、消費税の逆進性を緩和することです。
消費税は一律の税率が適用されるため、所得の低い人ほど収入に占める負担割合が大きくなります。
なお、高市総理は就任会見において「社会保険料の逆進性を考えると最もメリットがある」と述べており、消費税だけでなく社会保険料負担の重さに対する解決策としても期待を示しています。
例えば、年収300万円の人が100万円を消費すれば、消費税10万円は年収の約3.3%を占める一方で、年収1000万円の人に同じ10万円の消費税が課されても、その負担割合は約1%にとどまります。
このように、消費税は低所得層ほど相対的に重い負担となるのが特徴です。
給付付き税額控除は、所得が低い層に現金を支給することで、消費税負担の一部を実質的に還元する役割を担います。
3. まとめ|現金給付・減税との違いを理解して動向を注視
給付付き税額控除は、減税と現金給付を組み合わせることで、これまで支援が届きにくかった非課税世帯や低所得層にも実質的な支援を行う仕組みとして検討が進められています。
所得税を納めている人だけでなく、税負担の有無にかかわらず一定の支援を受けられる点が、従来の減税政策との大きな違いです。
政府は、社会保障と税の一体改革を議論する国民会議を、衆議院選挙後にできる限り早く立ち上げる方針を示しており、その中で給付付き税額控除の制度設計や、消費税率引き下げを含む税制のあり方が議論される見通しです。
財源や実施時期など、具体的な制度内容は今後の検討課題となりますが、家計への影響が大きい政策であることは間違いありません。
今後は、国民会議でどのような議論が行われ、どの層にどの程度の支援が想定されるのかを丁寧に見ていくことが重要です。
制度の全体像が明らかになり次第、自身の生活や税負担にどのような影響があるのかを確認していきましょう。
参考資料
加藤 聖人