2025年5月16日に年金制度改正法が成立しました。
遺族年金など大きな改正も決まりましたが、施行は2026年4月以降に順次行われます。2026年度施行の目玉は、在職老齢年金の改定です。
本記事では、2026年の在職老齢年金の改定について解説します。
在職老齢年金の仕組みや改正によってシニアの働き方はどう変わるかも紹介しますので、働きながら年金を受給(または受給予定)する人は、改正内容を確認しておきましょう。
1. 在職老齢年金とは
働きながら年金を受給する場合、給与収入や年金額によって年金の一部または全額が支給停止になる場合があります。この仕組みを「在職老齢年金」 といいます。
制度内容は少し難しくなりますが、概要を理解しておきましょう。
1.1 在職老齢年金の対象者
在職老齢年金によって支給停止されるのは、老齢厚生年金です。
対象となるのは厚生年金保険料を払いながら老齢厚生年金を受給している会社員などです。すべての人が支給停止されるわけではなく、給与収入や年金額が一定以上の人が対象です。
老齢基礎年金しか受給していない人や定年退職・自営業・無職などで厚生年金に加入していない人、給与収入や年金額が少ない人は、支給停止の対象にはなりません。
1.2 在職老齢年金の計算方法
在職老齢年金によって支給停止されるのは、その月の「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計が「支給停止調整額」を超えた場合です。
- 基本月額:老齢厚生年金の報酬比例部分の月額
- 総報酬月額相当額:標準報酬月額と直近1年の標準賞与額の1/12
- 支給停止調整額:2025年度は51万円
専門用語ばかりで難しく感じられますが、基本月額は加算のない老齢厚生年金の月額、総報酬月額相当額は年収のおおよそ1/12の金額(高所得者は異なる)です。
大雑把にいうと、給与月額と老齢厚生年金月額の合計が51万円を超えると支給停止が始まります。
支給停止額は次の通り計算します。
- 支給停止額=(基本月額+総報酬月額相当額-51万円)×1/2
つまり、給与月額と老齢厚生年金月額を合計して51万円を超えた金額の半分が支給停止(老齢厚生年金の減額)となるということです。