4. 確定申告に関する注意点
年金生活者の確定申告について、注意すべき点を2つ紹介します。
4.1 扶養控除等の申告漏れに注意
2025年度税制改正により、配偶者(特別)控除や扶養控除などの対象者が拡大しました。
また、19歳以上23歳未満の扶養親族に対する「特定親族特別控除」が新設されました。対象者を再確認して、申告漏れがある場合は確定申告によって対応しましょう。
対象者の所得基準は次の通り変更されました。
- 扶養控除:48万円(年収103万円以下)→58万円(年収123万円以下)
- 配偶者控除:48万円(年収103万円以下)→58万円(年収123万円以下)
- 配偶者特別控除:48~133万円(年収103万円超201万5999円以下)→58~133万円(年収123万円超201万5999円以下)
また、19歳以上23歳未満の親族について、年収188万円までは所得に応じた特定親族特別控除が適用されます。年収150万円までは扶養控除(特定扶養控除)と同額の63万円の所得控除がうけられます。
4.2 住民税の確定申告
確定申告が不要な年金生活者でも、住民税の申告が必要なケースがあります。次のいずれか一方に該当する人は住民税の申告をしましょう。
- (ケース1)年金所得のみで社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除、基礎控除等以外の各種控除の適用を受けるとき
- (ケース2)年金以外の所得があるとき
ケース1では確定申告して所得税と住民税で各種控除の適用を受けるのが一般的で、確定申告せずに住民税の申告のみを行うことはあまりないでしょう。
忘れがちなのは、年金以外の所得が20万円以下の場合です。確定申告は不要ですが住民税の申告は必要です。
5. まとめにかえて
確定申告を絶対にすべき人・しなくいい人の違いは、年金収入と年金以外の所得の額です。
「年金収入400万円以下」かつ「年金以外の所得が20万円以下」なら確定申告不要、それ以外は必要になります。
ただし、確定申告不要の人でも、確定申告することによって所得税の各種控除の適用が受けられて税金が安くなるケースもあります。
確定申告の要・不要と各種控除の適用の有無などを基に、確定申告するかどうかを判断しましょう。
参考資料
- 国税庁「高齢者と税(年金と税)」
- 日本年金機構「老齢年金から源泉徴収される所得税の控除を受けるとき」
- 国税庁「所得控除のあらまし」
- 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」
西岡 秀泰