公的年金の支給日には、公的年金にプラスして年金生活者支援給付金という給付金を受けとる方がいます。

2025年度の給付基準額は月額5450円です。

この記事では、年金生活者支援給付金について支給要件や給付額、手続き方法を解説していきます。

1. 老後の年金、みんな月いくら?

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で15万円台です。

国民年金の平均月額(男女全体・男女計)1/5

国民年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)2/5

厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

ただしグラフのように、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額3万円未満となる人まで、幅広い受給額ゾーンにちらばっています。

年金とその他の所得を含めても一定基準以下の所得となる場合、「年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性があります。

2. 年金生活者支援給付金「給付基準額」月いくら?

年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得額が一定基準以下の年金生活者を支援するために、2019年にスタートした制度です。給付金は2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。

受給中の年金によって、以下3種類の年金生活者支援給付金があり、それぞれに、支給要件と支給額(基準額)が設定されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

2.1 【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額

2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から2.7%引き上げとなりました。

【2025年度】

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。

上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円受け取れます。

3. 年金生活者支援給付金の「支給要件」は?

年金生活者支援給付金の支給要件について見ていきましょう。

「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が479万4000円以下の人です。

給付金の判定に用いる所得は、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、扶養親族などの数に応じて、所得の基準額は上がります。

「老齢年金生活者支援給付金」については、本人の所得以外の要件がいくつか加わります。

3.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給対象

老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下

老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。

また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

補足的老齢年金生活者支援給付金

昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。

4. 年金生活者支援給付金の「手続き方法」は?

年金生活者支援給付金を受け取るためには、請求手続きが必要となります。支給対象になったら自然に年金に上乗せされるわけではありません。

すでに年金を受給中の人で、所得が下がり年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます)。

4.1 【毎年9月に順次送付】すでに年金受給中の人に「緑の封筒が届いたら」

※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。

なお、これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。

4.2 手続きは毎年必要?

年金生活者支援給付金は、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続き不要で継続受給が可能です。

継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。

なお、毎年度(4月分から)の支給金額は、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。

5. まとめ:日本年金機構からの案内を見落とさないように

この記事では年金生活者支援給付金について解説しました。

年金受給中で新たにこの給付金の対象となる方には、毎月9月頃に日本年金機構から案内が送付されます。

期日までに請求書を提出し、給付金を受けとる手続きをしましょう。

年金生活者支援給付金に限らず、日本年金機構からの案内は大切なお知らせとなります。

年金支給額額の変更や、控除額の変更により振込額が変わる場合なども含め、さまざまな案内が届きますので見落とさないよう注意しましょう。

参考資料

和田 直子