4月27日は「婦人警官記念日」です。
これは、戦後間もない1946年(昭和21)4月27日、警視庁で日本初の婦人警官62人が採用され、勤務に就いたことに由来しています。婦人警官の採用は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の強い意向によるものとなっていますが、その真意はよく分かっていません。ちなみに、応募した人の数は約1,300人だったようです。
なお、1999年から婦人警官という呼称は廃止されて「女性警察官」となりました。
女性警察官の比率は9.4%へ上昇、新規採用ではザックリ5人に1人が女性
初の採用から約73年が過ぎた現在、女性警察官の数はどれくらいなのでしょうか。
警察庁が刊行した「平成30年警察白書」によれば、全国で24,587人、全警察官に占める割合は9.4%となっており、この数字は年々増加しています。
ちなみに、平成21年度実績は、14,162人で割合は5.6%でした。この9年間、全国の警察官は8,563人増加したのに対して、女性警察官の増加は10,425人でした。新規採用と退職者の入り繰りはありますが、いかに女性警察官が増加しているかがわかります。
また、平成29年度に新規採用された女性警察官は約1,827人で、新規採用者総数に占める比率は17.8%でした。本当にザックリ言うと、新規採用の5人に1人が女性警官です。そして、現在のペースが続くと、平成35年前後には全国に勤務する警察官の7~8人に1人が女性警察官になると試算することができます。
もはや女性警察官は珍しくない存在で、逆に、女性警察官なしでは警察活動がままならない状況にあると言えましょう。
女性警察官の増加は喜ばしいことばかりではない?
ところで、女性警察官と聞くと、駐車違反を取り締まったり、交通整理をしたりする姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。確かに、従来はこうした職務が中心の交通部門(交通課など)に配置されるケースが多かったようです。
しかし、近年は地域・刑事・組織犯罪対策などに配置される比率が大きく増えています。この背景には、女性が被害者となるパターンが多い性犯罪やDV犯罪の増加が挙げられます。
また、その裏返しにもなりますが、女性の犯罪者が増えていることも関係しているようです。女性警察官の増加にはこうした複雑な背景があるのは間違いありません。
女性警察官の幹部への登用も急速に拡大中
もう一つ特筆すべきは、女性警察官の幹部への登用が加速していることでしょう。平成30年に「警部」以上の役職に就く女性警察官は498人となっており、平成21年(142人)と比べて約3.5倍に増加しました。