5. 70歳代の家計データから考える「老後資金と生活費」の現実
70歳代・二人以上世帯の貯蓄額を見ると、平均値は2000万円を超えているものの、中央値は1200万円弱にとどまっており、実際には平均ほど資産を持たない世帯が多数派であることがわかります。
また、年金の平均受給額と生活費を比較すると、多くの世帯で月数万円の赤字が生じており、貯蓄の取り崩しを前提とした生活になっている実態も見えてきます。
食費をはじめとした日常支出は年齢とともに減少する傾向があるものの、物価上昇の影響を完全に避けることは難しいでしょう。
今後の長寿化を考えると、貯蓄の水準や使い方を把握したうえで、支出を調整する視点や、無理のない範囲での資産活用を検討していくことが、老後の家計を安定させるために重要になりそうです。
また、とくに食費や光熱費などの生活費は物価の影響を受けやすく、冬場の支出が増えやすい2月は家計を見直すよいタイミングといえるでしょう。
平均や中央値を「目安」として活用しながら、自分の家計状況を確認し、無理のない資金計画を立てることが大切です。
年金額や貯蓄の状況を改めてチェックし、将来の生活設計に役立ててみてください。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
- ←J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
加藤 聖人