2026年1月9日~11日に開催された「東京オートサロン2026」で、株式会社オートバックスセブンのレーシングブランド「ARTA」が初公開した「ARTA GT FL5」が、その希少性とスペシャルな価格で注目を集めました。現地で関係者に聞いた開発意図や魅力をレポートします。
2026年1月9日~11日に開催された「東京オートサロン2026」1/9
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1. 1350万円&限定20台の「ARTA GT FL5」に反響
「僕らはチューニングショップじゃなくて、レーシングチームなんです。公道で走れるGTカーを作りたいと思っています」。ARTA総監督の鈴木亜久里氏はこう語ります。
2026年1月9日から発売を開始したARTA GT FL5は、ホンダ・シビックタイプR(FL5)をベースに、ARTAが培ってきたレーシング技術を惜しみなく投入したコンプリートキットです。
1350万円&限定20台のスペシャルモデル「ARTA GT FL5」2/9
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すでにホンダ・シビックタイプR(FL5)を所有している人が対象のキットで、取付、塗装などを含めた販売価格は税抜1350万円。限定20台のスペシャルモデルで、東京オートサロンでの反響により、現在は抽選方式での受付となっています。
2. レーシングチームが本気で作った究極のシビックタイプR
GTカーで培った機能をまとったエアロキット3/9
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最大の特徴は、GT500マシン「ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT」の造形を彷彿とさせるワイドボディキットです。
ARTAエアロキットによって構成されたボディは機能美に満ち、サーキット走行を前提とした冷却性能と空力性能を両立しています。
カラーリングはARTAのチームカラーであるオレンジですが、蛍光カラーではなく街乗りでもしっくりくる落ち着いた色味を採用しています。
隣に展示してあった「ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT」とは色が違う4/9
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「ちょっと見たら普通の赤いシビックかなと思うんですけど、これはもう全然色が違ってオレンジ色に全部塗り直してチームカラーに仕上げました」と鈴木氏は説明します。
パワートレインはHKS ECU&タービンキットにより最高出力400psを実現。ARTA×HKSインタークーラー&オイルクーラーキット、ARTA×HKSエキゾーストシステムで冷却系と吸排気系を大幅に強化し、サーキット走行での限界域での連続走行を可能にしています。
GTカー「ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT」のデザインを踏襲5/9
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3. 現役トップドライバーがサーキットで磨き上げセットアップ
シビックタイプRよりも車幅が拡大されてワイドに6/9
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開発には、ARTAエグゼクティブアドバイザーの土屋圭市氏と、ARTA無限のドライバーである野尻智紀選手が参加しました。
「一番こだわったのはカッコ悪い車は売れませんよというところから始めています」と土屋氏。
「スーパーGTの時に鈴木亜久里がちょろちょろと小出しに出してきて、その時にマスコミから『また張りぼてでしょ』って言われてムカついたから、冷却も吸排気も手を入れて馬力を400psオーバーまで引き上げました。サーキット走行にも耐えられるようにブレーキキャリパーとローターも換えました」と開発の経緯を明かします。
足回りは、KWサスペンションを基本に、CUSCO type-RS LSDを組み合わせ、純正よりインチダウンとなる、ART鍛造18インチホイールにPOTENZA RE-71RZ(295/35R18)を装着。ブレーキはAP Racing PRO5000Rブレーキキットを採用し、大幅な性能向上を果たしています。
セットアップを担当した野尻選手は「サーキットでもきっちりとパフォーマンスを出せるように取り組みました。CIVIC TYPE Rはもともとの特性がすごく良く、素直な車なので、損なわれないようにパフォーマンスを上げるのが難しかったですね」と語ります。
シェイクダウンは袖ヶ浦フォレストレースウェイで実施されました。
「タイムは速かったものの、サーキットでは足回りがやわらかい印象があり、コーナーではアンダーステアが出たりしたので調整。そうしたらタイムはさらに上がり、どれだけ攻めてもバランスが変わらないところまで持っていけたので満足しています」と野尻選手。
土屋圭市氏は「野尻選手がちょっとアタックしただけで1分12秒台出していますから、そこからまだまだ改良をして、今ここに至っているのですごく速いのがわかると思います」と、その実力を証明します。
ARTA GT FL5開発の思いを語る鈴木亜久里氏7/9
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4. 公道とサーキットの両立を実現した究極のバランス
野尻選手はセットアップについて「コーナーに速い速度で飛び込んでいってもすごく安心感があり、その状態でもさらにしっかりと車が曲がり続ける。こういったようなバランスにしていきたいなというのはレースでも思っていて、この車も同じようにセットアップしました」と説明します。
ただし、公道走行を前提とした車両のため、サーキット専用車とは異なるアプローチが必要でした。
「サーキットでタイムを上げていこうとすると、車はすごく固くなり、公道ではすごく乗り心地が悪くなってしまう。その辺のバランスをとっていくというのは難しいけれど、なるべく乗り心地を損なわないような状態で、固さとしなやかさというところの両立がうまく取れました」と振り返ります。
ドリキンこと土屋圭市氏とマイクを握る野尻智紀選手8/9
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5. オーナーだけが味わえるGTカーのある日常
内装にはRECARO RSS ASM Limitedシート、Sparco Specialステアリングホイールを採用。「購入したらぜひ、ガレージに置いて酒飲んでほしい」と土屋氏は笑います。
鈴木氏は「ここにいらっしゃっている皆さんに乗ってもらいたい。20台しか作れないんでもう本当にあっという間に20台になっちゃうと思います。でも買う買わないではなく一回乗ってみてもらいたいくらい良くできています」と自信を見せます。
「山ほどチューニングカーを乗っている土屋さんと日本を代表するチャンピオンの野尻さんが一緒に開発に加わってくれて、土屋さんはどれだけチューニングカーを乗っているか、この人は本当に辛口な評価をするので、この2人がOKだという車になりました」。
レーシングチームが本気で作り上げた「公道を走るGTカー」は、限られたオーナーだけが体験できる特別な存在になるでしょう。
「ARTA GT FL5」のスペック9/9
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参考資料
鈴木 博之