3. 金は本当に「安全資産」なのか
これまで見てきたように、金が安全資産と認識されるのには明確な理由があります。しかし、それは金への投資が「常に安全」で「いつでも利益が出る」ことを意味するわけではありません。 ここからは、金に投資する際の注意点とリスクを解説します。
3.1 価格変動リスク
「安全資産」という言葉の響きとは裏腹に、金の価格は短期間で大きく変動することがあります。例えば、2025年は年間を通して見れば大きく高騰しましたが、その過程では月単位で価格が上下する場面も頻繁に見られました。
金もまた、投資家の市場心理や需給バランスによって価格が変動する「投資対象」です。そのため、期待したほど価格が上昇しない、あるいは購入した価格を下回る「元本割れ」のリスクも常に存在します。
3.2 為替レートの影響
日本円で金を売買する場合、その価格は「ドル建ての国際金価格」と「ドル/円の為替レート」の2つの要素で決まります。例えば、国際金価格が上昇しても、それ以上に急激な円高(例:1ドル=150円→120円)が進むと、円建ての金価格は値下がりすることがあります。
つまり、世界の金価格が上がっていても、為替の動き次第では損失を被る可能性があるのです。逆に円安が進めば、国際金価格の上昇に加えて為替差益も得られるため、利益がさらに大きくなることもあります。為替レートはリスクであると同時に、リターンを左右する重要な要素です。
3.3 金利や配当を生まない
株式を保有していれば「配当金」、債券であれば「利子」といったように、多くの金融資産は保有しているだけで定期的な収益を生み出す可能性があります。
一方で、金はそれ自体が事業活動を行うわけではないため、保有しているだけで金利や配当が付くことは一切ありません。金投資で利益を得る手段は、購入時よりも高い価格で売却して得る「売却益」のみとなります。
したがって、金価格が上昇しない局面では利益は得られず、むしろ保管料などのコストがかかる場合は、資産価値が実質的に目減りしていく可能性もあります。