2. 金が「安全資産」と呼ばれる理由とは

金価格が高騰する主な要因は、世界情勢の不安定化などを背景に「安全資産」としての金の需要が供給を上回ることです。ここでは、金が「安全資産」と見なされる理由を掘り下げて解説します。

2.1 それ自体に価値がある「実物資産」

株式や債券といった金融資産は、発行元の企業や国の信用力によって価値が裏付けられています。そのため、業績や財政状況が悪化すれば価値は下落し、万が一、企業が倒産すれば株式の価値は失われてしまいます。

一方、金はそれ自体に価値を持つ「実物資産」であり、その価値は世界共通で認められています。歴史上、価格が下落することはあっても、価値が完全にゼロになったことは一度もありません。この普遍的な価値が、多くの投資家に安心感を与えています。

2.2 世界的な不況や危機に強い

戦争や大規模な金融危機が発生し、世界情勢が不安定になると、人々は特定の国や企業の信用に依存する株式や通貨を保有することに不安を感じるようになります。そうした局面では、発行主体が存在せず、世界中で価値が認められている金に資金が流入しやすくなり、結果として価格が上昇する傾向があります。このような考え方を「有事の金」と呼びます。

2.3 インフレに強い

インフレとは、物価が上昇し、相対的にお金の価値が下がる状態を指します。インフレが進むと、銀行預金などの現金の価値は実質的に目減りしてしまいます。これに対し、金のような実物資産の価格は、物価の上昇に伴って上がる傾向があります。そのため、インフレ局面で金を保有することは、資産価値の目減りを防ぐ「インフレヘッジ」の効果が期待できます。