新しい年が始まり、年末年始の慌ただしさが落ち着くと、多くの人が現実的な「お金」の問題に目を向ける時期になります。

出費がかさんだ財布の中身を気にしつつ、会社から受け取った源泉徴収票を眺めたり、来月に迫った確定申告の準備を始めたりと、1月は税金や手取り額への関心が高まる季節です。

このような状況の中、税制や社会保障の議論で頻繁に登場するキーワードが「給付付き税額控除」です。

少し複雑に聞こえるかもしれませんが、これは「税金の負担を軽くし、それでも引ききれない分は現金で支給する」という画期的な制度です。

欧米諸国ではすでに導入事例があり、日本でも「年収の壁」問題の解決策や格差是正の手段として注目されています。この制度がもし導入された場合、私たちの家計にどのような影響があるのか、その仕組みをわかりやすく解説します。

1. 給付付き税額控除とは?「減税」と「現金給付」を組み合わせた制度の概要

「給付付き税額控除」は、税金の負担を軽くする税額控除と、現金を支給する給付を組み合わせた制度です。税額控除だけでは減税の恩恵を十分に受けられない場合でも、その不足分を現金で受け取れるという大きな特徴があります。

この仕組みにより、納税額が少ない方や非課税世帯にも支援が行き渡るよう設計されています。

1.1 給付付き税額控除の具体例:控除額10万円の場合

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

LIMO編集部作成

中・高所得層のケース

  • 所得税の納税額:30万円(控除額10万円を上回る)
  • 適用される控除・給付:10万円全額が減税として適用されます。
  • 最終的な効果:納税額が20万円に減り、税負担が軽減されます。

低所得層のケース

  • 所得税の納税額:8万円(控除額10万円を下回る)
  • 適用される控除・給付:納税額8万円分が減税され、納税はゼロになります。控除しきれなかった差額の2万円は現金で支給されます。
  • 最終的な効果:税金の支払いがなくなるうえ、2万円の現金を受け取れます。

非課税世帯のケース

  • 所得税の納税額:ゼロ
  • 適用される控除・給付:控除すべき税金がないため、10万円が全額現金で支給されます。
  • 最終的な効果:減税の恩恵を受けられない層にも、直接的な金銭支援が届きます。