では、実際に40代から老後に向けて貯蓄を増やしていくにはどうすればいいのでしょうか。子どものいる世帯では、住宅ローンの返済に加えて「子育て費用」も必要です。となると、生活費を捻出するだけでも一苦労というケースも考えられます。
しかし貯蓄の基本は、昇進や転職、副職で手取り所得を増やしつつ、節約して支出を抑えることです。「そんな余裕ない・・・」と思っても、まずは貯蓄に充てるお金を増やせるよう、家計を見直して支出状況を確認してみましょう。
さらに、非課税枠のあるNISAやつみたてNISA、iDeCoなどを活用するのもひとつの方法です。これは、国民の自助努力による老後資金準備を国が支援している制度です。長期的に資産を形成し、老後にしっかり備えておきましょう。生命保険などで所得控除枠を活用するのもいいですね。
運用をどう捉えるか
老後資金を貯めるためにお金に働いてもらう、というのも選択肢のひとつです。とはいえ「貯蓄を増やしたいけれど、リスクのある運用はできるだけ避けたい」と考える方もいるのではないでしょうか。その場合には、様々な資産に分散投資をする「バランス型ファンド」のような投資信託を保有するのも手です。これにより、リスクをコントロールしやすくなります。
いきなり国内外の株式投資に手を出すのは、どうしてもハードルが高く感じられますよね。ますはリスクの低い金融商品で資産形成をして、だんだん自分の好きな金融商品で運用してみてはいかがでしょうか。こうすることで、ステップを踏みながら運用をすることができます。
まとめ
かつて就職活動で苦戦していた就職氷河期世代の人たちも、いまや40代。住宅ローンや子どもの教育費をなんとか捻出していたのに、さらに老後に向けた貯蓄も…と考えると、どうしても気が重くなってしまうのではないでしょうか。
出費が重なるなかで老後の備えをするのは簡単なことではありませんが、工夫次第で貯蓄のペースをアップすることもできます。節税や運用をして、うまく資産を形成していきましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
LIMO編集部