2025年は、株式や金など多くの資産価格が歴史的な高値を更新し、市場が大きく動いた一年でした。為替市場でも円安が進行し、政府による介入への警戒感から相場が不安定になる場面も見られました。
そして2026年1月13日の東京株式市場では、日経平均株価が終値で史上最高値を更新するなど、活況は続いています。
このような状況を前に、「今から投資を始めると、高値で買ってしまうことになり損をするのではないか」と、投資のタイミングに迷う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、投資信託を利用すれば、世界中のさまざまな資産へ手軽に分散投資ができます。さらに、積立投資で定期的に購入することで「時間分散」も可能になり、短期的な価格の動きに左右されず、長期的な視点で資産形成を進められます。
この記事では、特に投資初心者の方に向けて、NISAでも人気の高い「オルカン」と「S&P500」の2つの投資信託を解説します。実際の運用実績も比較していますので、ご自身の投資方針を考える上で参考にしてください。
1. 「オルカン」と「S&P500」の投資対象を比較|基本的な違いを解説
オルカンとS&P500は、どちらも特定の株価指数に連動した運用成果を目指すインデックスファンドという点で共通しています。
ただし、両者の間には投資対象の範囲に大きな違いがあります。
1.1 eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の概要
オルカンは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託の愛称で知られています。
その名前が示す通り、日本をはじめとする先進国や新興国など、世界約3000銘柄の株式へ幅広く分散投資を行うファンドです。
組入上位10カ国・地域(2025年11月28日時点)
- アメリカ 63.9%
- 日本 4.8%
- イギリス 3.2%
- カナダ 2.9%
- フランス 2.3%
- 台湾 2.1%
- スイス 2.0%
- ドイツ 2.0%
- ケイマン諸島 1.8%
- インド 1.7%
組入上位10銘柄(2025年11月28日時点)
- NVIDIA CORP アメリカ 情報技術 4.7%
- APPLE INC アメリカ 情報技術 4.4%
- MICROSOFT CORP アメリカ 情報技術 3.7%
- AMAZON.COM INC アメリカ 一般消費財・サービス 2.4%
- ALPHABET INC-CL A アメリカ コミュニケーション・サービス 2.0%
- BROADCOM INC アメリカ 情報技術 1.9%
- ALPHABET INC-CL C アメリカ コミュニケーション・サービス 1.7%
- META PLATFORMS INC-CLASS A アメリカ コミュニケーション・サービス 1.5%
- TESLA INC アメリカ 一般消費財・サービス 1.3%
- TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC 台湾 情報技術 1.2%
オルカンの主な特徴
- リスクの分散:投資先が世界中に広がっているため、特定の国や地域の経済が落ち込むといったリスクを和らげる効果が期待できます。例えば、米国経済が停滞したとしても、他の国や地域(欧州、日本、新興国など)の経済成長がそれを補う可能性があります。
- 自動的なリバランス:世界の経済状況の変化に応じて、運用会社が国・地域ごとの投資比率を自動的に見直してくれます。そのため、投資家自身が投資先を調整する手間がかからない点がメリットです。
1.2 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の概要
S&P500は、米国の代表的な企業500社の株価から算出される株価指数で、世界的に注目度の高い指標の一つです。
投資の世界で「S&P500」と言う場合、多くは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のように、この指数への連動を目指す投資信託を指すことが一般的です。
投資対象は、米国の主要産業(ハイテク、金融、ヘルスケアなど)をリードする大企業500社で構成されています。
資産構成(2025年11月28日時点)
- 実質外国株式 100.0%
・内 現物 98.7%
・内 先物 1.3%
・コールローン他 0.0%
組入上位10銘柄(2025年11月28日時点)
- NVIDIA CORP アメリカ 半導体・半導体製造装置 7.5%
- APPLE INC アメリカ テクノロジ・ハードウェア・機器 7.0%
- MICROSOFT CORP アメリカ ソフトウェア・サービス 6.1%
- AMAZON.COM INC アメリカ 一般消費財・サービス流通・小売り 3.8%
- BROADCOM INC アメリカ 半導体・半導体製造装置 3.2%
- ALPHABET INC-CL A アメリカ メディア・娯楽 3.2%
- ALPHABET INC-CL C アメリカ メディア・娯楽 2.5%
- META PLATFORMS INC-CLASS A アメリカ メディア・娯楽 2.3%
- TESLA INC アメリカ 自動車・自動車部品 2.0%
- BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B アメリカ 金融サービス 1.6%
S&P500の主な特徴
- 高い成長性への期待:米国経済は過去数十年にわたり成長を続けてきました。特に、アップル、マイクロソフト、NVIDIAといった巨大IT企業が指数に含まれており、これらの企業の成長による恩恵を直接的に享受できる可能性があります。
- 米国への「集中」がもたらすメリットとリスク:投資対象が米国一国に絞られているため、高いリターンが期待できる一方で、米国経済が長期的に低迷した場合には、その影響を直接受けてしまう側面もあります。