2025年は金(ゴールド)価格が史上最高値を更新しました。年が明け、金価格は少し落ち着いているものの、高い水準を維持しています。
かつては「有事の金」とよばれ、守りの資産の象徴だった金。いまでは、資産形成として注目されています。
本記事では、最新の「金の産出量ランキング」を紹介。
取り入れやすい金投資の1つ、「純金積立」のシミュレーションも見ておきましょう。
1. 世界の金の産出量ランキング!1位は「中国」
外務省のデータ(2024年時点)によると、金の産出量1位は中国(380トン)。
かつて「金といえば南アフリカ」という時代もありましたが、現在は10位まで順位を下げています。
【金の産出量ランキング(2024年時点)】()内は2023年の産出量
- 1位:中国:380トン(370トン)↑
- 2位:ロシア:310トン(310トン)ー
- 3位:オーストラリア:290トン(310トン)↓
- 4位:カナダ:200トン(200トン)ー
- 5位:米国:160トン(170トン)↓
- 6位:ガーナ:130トン(圏外からランクイン)
- 6位:カザフスタン:130トン(130トン)ー
- 6位:メキシコ:130トン(120トン)↑
- 9位:ウズベキスタン:120トン(100トン)↑
- 10位:インドネシア:100トン(↓110トン)↓
- 10位:ペルー:100トン(圏外からランクイン)
- 10位:南アフリカ:100トン(100トン)ー
1位の中国、2位のロシアといった国々が、世界で産出される金のおよそ2割を占めているという点は、実はとても重要です。
これらの国は、国際情勢の影響を受けやすく、政治や外交の動きによって資源の供給が不安定になる可能性があります。
そのため、「もし金が手に入りにくくなったらどうなるのか」と考える人が増えやすくなります。
こうした不安が高まると、「有事の金」と呼ばれるように、国際情勢の悪化、金融不安などに備えて、価値が下がりにくいとされる金を持っておきたいと考える人が増えます。
つまり、中国やロシアが金の主要な産出国であること自体が、金が注目され続ける理由のひとつになっているのです。
2. 投資資産としても魅力の高い金、「米金利」と連動しなくなった?
金価格は、これまで米国の金利と連動して動くと考えられてきました。
利息がつかない金は、通常、米国の金利が上がると売られる資産だからです。
しかし最近はこのパターンが当てはまらず、米金利が高い状況でも金が買われ、過去最高値を更新し続けています。
これは、中国やロシアが主要産出国であることを背景とした情勢不安が、投資家や各国中央銀行による金の積極的な購入を後押ししているためと考えられます。
こうした背景から、金はまさに「有事の金」として注目されています。
3. なぜ金は「過去最高値」を更新し続けるの?
金価格は2016年ごろまで1gあたり4000円台でしたが、2025年には2万3000円(国内価格)を超える水準まで急騰しました。
なぜ、これほどまでに「金」の独歩高が続いているのでしょうか。主な要因は3つあります。
- 地政学リスクの常態化: ウクライナや中東など、終わりの見えない緊張。
- 中央銀行の「買い」: 中国をはじめとする各国の中央銀行が、ドル依存脱却のために金を買い増している事実。
- 円安の影響: 私たち日本人にとっては、世界的な金価格の上昇に加え、円安が価格をさらに押し上げる「ダブル効果」となりました。
こうした金価格高騰を前に、「もう高すぎて手が出せない」「もっと早く買っておけばよかった」とため息をつく方も多いかもしれません。
もし10年前から「純金積立」という形でコツコツと買い続けていたら、私たちの資産は今ごろどうなっていたのでしょうか。シミュレーション結果を見てみましょう。
4. 月1万円の「純金積立」を10年続けたらどうなった?(2016年~2025年)
では、実際にこの10年間、金に投資していたら資産はどう変わっていたのでしょうか。
純金積立シミュレーション結果3/3
LIMO編集部作成
- 積立期間: 2016年1月〜2025年12月(120カ月)
- 投資元本: 120万円
- 評価総額: 約344万円
- 運用益: +約224万円(元本の約2.8倍)
10年前、コツコツ「純金積立」を始めた人は、資産が200万円以上も増えたことになります。
5. 今から始めても遅くない?「純金積立」のメリット
「金はもう高すぎて手が出せない…」と思うかもしれません。
でも、純金積立なら「ドルコスト平均法」という仕組みがあります。
これは、購入タイミングを「毎月」など分散させることで、金の価格が高いときは少しだけ、安いときはたくさん買う方法です。
そのため、一度にたくさん買って「高値でつかんでしまった…」というリスクを自動的に抑えられます。
さらに、現物の金を自宅で保管する場合は盗難の心配がありますが、現物を持たない純金積立なら、証券会社や貴金属店などを通じて少額から安全に始められます。
最低投資額は貴金属専門業者や金融機関により異なりますが、月額1000円前後の少額から始められるところも。初心者でも安心して、無理なく金投資をスタートできるのが大きなメリットです。
6. まとめ
世界の金産出量上位国の動向や地政学リスクは、今後も金価格の底堅さを支える要因となるでしょう。
この記事では、直近10年間の金価格をもとにシミュレーションを行いました。驚くような結果となりましたが、シミュレーションのような価格上昇が今後も続くとは限りません。
しかし、不安定な世界情勢の中で「自分の資産の一部を金に変えておく」という選択もあるということを知っておくとよいでしょう。
参考資料
和田 直子