新しい年を迎え、お子さんの将来に向けた貯蓄計画を立て直しているご家庭も多いのではないでしょうか。いよいよ待望の「こどもNISA」が動き出そうとしています。

筆者はFPとして多くの教育資金相談を受けてきましたが、「いつから、いくら始めればいいの?」という悩みは共通です。今回は、金融庁の最新資料をもとに、月1000円からの投資でどれだけ資産が変わるのか、3つのシミュレーションとともにこどもNISAについて解説します。

1. 「こどもNISA」実現へ!年間60万円まで投資可能!しくみについてFPが解説

2025年12月に金融庁が公表した「令和8(2026)年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」では、NISA制度のさらなる充実策の一つとして「こどもNISA」の方向性が示されました。

2027年に創設予定のこどもNISAは、0~17歳を対象に、子どもの将来に向けた資産形成を支援する制度です。

年間投資枠は60万円、非課税で保有できる上限額は600万円とされ、長期の積立・分散投資に適した投資信託が対象となります。原則として運用中の引き出しはできませんが、12歳以降は子どもの同意があり、資金の使途が子どものためである場合に限り、親権者による引き出しが認められます。

18歳になると、こどもNISAで保有していた資産は自動的に通常の「つみたて投資枠」へ移行し、運用を継続できます。
早い段階から時間をかけて資産を育てられる点が、こどもNISAの大きな特徴といえるでしょう。

2. 「こどもNISA」のメリット、早くはじめるほど「効果を実感しやすい」理由とは

「こどもNISA」の最大のメリットは、「時間を味方につけた資産形成」ができる点にあります。

投資の世界では、運用期間が長くなるほど「複利」の効果が働きやすく、同じ金額を投じても最終的な成果に大きな差が生まれやすくなります。複利とは、運用で得た利益を元本に組み入れ、さらにその合計額で運用を続けていく仕組みのことです。

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複利のイメージ

LIMO編集部作成

利益が利益を生む形になるため、短期間では目立たなくても、年数を重ねるごとに資産の伸びが加速しやすいのが特徴です。特に、積立投資のように時間をかけて運用する方法では、この複利効果が安定的な資産形成につながりやすいとされています。

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長期投資

出所:金融庁「NISAについて」

たとえば、毎月1万円を年率3%で運用した場合を考えてみましょう。20歳から40年間積み立てると、元本480万円に対して、将来の資産額は約930万円になる一方、40歳から20年間積み立てた場合は、元本240万円が約330万円にとどまります。この差は、投資額の違い以上に「運用にかけられた時間」の違いによるものといえるでしょう。

3. 「こどもNISA」5歳から積立投資「児童手当を寝かせるだけは損?」《3つの試算例》公開!

こどもNISAは非課税限度額が600万円と決まっているため、目的に合わせた「出口のイメージ」を持つことが大切です。では、仮に5歳から積立投資を始めた場合、どのような結果が想定されるのでしょうか。ここでは、金融庁の「つみたてシミュレーター」を参考に、3つのケースを見てみます。シミュレーションはすべて利回りを年3%と仮定、積立期間を10年間で設定します。

3.1 ケース①毎月1000円(お小遣いで投資体験)

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ケース①:毎月1000円(お小遣いで投資体験)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

5歳から10年間、お小遣い感覚で積み立てると、将来の資産額は14万円(元本12万円+収益2万円)となります。少額ですが、親子で経済の動きを学ぶ「生きた教材」として最適です。

3.2 ケース②毎月1万円(児童手当をそのまま運用)

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ケース②:毎月1万円(児童手当をそのまま運用)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

児童手当を原資に10年間運用すると、資産額は139万円(元本120万円+収益19万円)まで膨らみます。これは高校入学や塾代など、まとまった教育費の足しとして心強い味方になります。

3.3 ケース③毎月4万円(本格的な教育資金づくり)

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ケース③毎月4万円(本格的な教育資金づくり)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

月4万円ずつ10年間積み立てれば、資産額は558万円(元本480万円+収益78万円)に達します。制度上の限度額600万円をほぼ使い切る形になり、大学進学等の大きなライフイベントにも十分備えられます。

なお、これらのシミュレーション数値は、年齢設定のない資料に基づき5歳から始めたと仮定した目安であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資信託などの金融商品は元本割れなど価格変動リスクを伴うため、資産が減るリスクもあることを理解しておきましょう。

4. 「こどもNISA」複利を味方に教育資金の不安を解消しよう

今回は、「こどもNISA」がもたらす資産形成の可能性について解説しました。 10年間の運用でも、積立額や時間の使い方次第で、教育資金の景色はこれほどまでに変わります。

筆者も日々感じますが、投資は「いくら出すか」と同じくらい「いつ始めるか」が肝心です。月1000円の《体験》から始めるのも、月4万円で《ガッツリ》備えるのも、すべてはお子さんの未来の選択肢を増やすための一歩です。2027年の制度開始に向け、今から家計の《投資枠》を家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

未来の自分と子どもが『あの時始めてよかった』と思えるよう、今から準備を始めることをおすすめします。

参考資料