昨年の12月4日以来、22,000円台を回復
2019年4月19日の日経平均株価の終値は、前日より110円44銭高の22,200円56銭となりました。前週の米株式市場の上昇などを受けて、週初15日の終値は22,169円11銭と、2018年12月5日以来、約4か月ぶりに22,000円台を回復しています。
さらに17日は終値ベースで年初来高値を更新。週末にかけては利益確定の売りなども出て若干下げたものの、それでも先週は終値ベースで22,000円を割り込むことはありませんでした。堅調さを感じさせます。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。海外の株式市場が、米国をはじめ主要な市場で好転しつつあります。背景の一つは、中国経済減速への懸念が後退したことです。17日に発表された中国の1~3月の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年同期比で6.4%となり、4四半期ぶりに減速が止まりました。
もう一つの懸念材料だった英国の欧州連合(EU)離脱を巡る問題についても、最長10月までの離脱延期が決まりました。抜本的な課題解決というよりは問題を先送りしただけという印象は否めませんが、ひとまず、期限切れにより「合意なき離脱」になることは避けられました。
世界の株高傾向が続く中で、日本株にも出遅れ修正に期待がかかります。国内では、今週に決算発表を行う企業も多いようです。23日の日本電産、24日のファナックなどをはじめ、中国市場に影響を受けやすい企業の発表が注目されます。
任天堂の決算発表は25日です。19日には「ニンテンドースイッチ」の中国販売開始を発表し、一時、年初来高値を更新しました。決算発表時に今後の成長の見通しなどが具体的に言及されるかもしれません。
一方で、10連休を前に、海外の投資家もいったんは手仕舞う動きになることも予想されます。今週は決算発表にともなう個別銘柄の物色など、短期的なトレード戦略をとるのも一つの方法になるでしょう。
200日移動平均線を回復、上昇相場へ
先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初15日は大きく窓をあけて寄り付き、その後も下落することなく陽線で引けました。
上昇の勢いが弱いときには、翌日に「往って来い」といった動きで、この窓を埋めてしまうことがあります。しかし、先週はむしろ窓の上端付近で下値をサポートされ上昇を続けました。18日にはいったん陰線となりましたが、それでも15日の下値付近で反発し、19日には再び窓をあけて上昇しました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。結論から言えば、目線を上に向けていいと思います。これまでは3月4日の高値(21,860円)と3月25日の安値(20,911円)の間の1,000円弱の狭い幅でもみ合う動きが続いていました。先週ようやく、このもみ合いを上に抜けたわけです。
21,500円~22,000円のあたりは、過去に売買が積み上がっているところで、抜けるのにパワーがかかりました。それだけに、抜けてしまえば強い下値サポートになります。一段上のステージに上がったと考えられます。
チャートの形も上昇相場への転換を示しています。ローソク足の実体が200日移動平均線を回復し、200日線と5日線のゴールデンクロスが形成されました。25日線と75日線も上を向いています。5日線、25日線、75日線が上から順に並び、扇を開くようにその間隔が広がっています。これは典型的な上昇トレンドのチャートです。
目先意識されやすい22,000円を突破したことで、上値めどとしては、昨年12月3日の22,698円、その上の23,000円あたりになります。23,000円を超えると、目立った節がないことから、昨年10月2日の高値(24,448円)付近までするすると上昇する可能性もあります。
下原 一晃