Jリーグクラブチームの強さと株価に関係はあるのか

明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップでは、最終的にサンフレッチェ広島がガンバ大阪に勝利し、チャンピオンになったのはまだ記憶に新しいかと思います。

Jリーグ年間チャンピオンが、チャンピオンシップでも勝利したのは、順当な結果だったと見る方も多いでしょう。

このコラムでは、各クラブチーム選手の戦力を分析するという王道の調査はさておき、各クラブチームの株主やスポンサーの株価騰落率ランキングを見てみたいと思います。

Jリーグで強いチームの株主やスポンサーは、株式市場でも強かったのかどうかを検証してみます。

今回は、2014年末の株価を100とし、2015年12月4日までの各上場企業の株価とTOPIXの株価推移を比較しました。

ただし、すべてのクラブチームにおいて上場企業が大株主であったり、スポンサーをしているわけではありません。

そこで今回は、サンフレッチェ広島、浦和レッドダイヤモンズ、ガンバ大阪、FC東京、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、名古屋グランパスエイト、柏レイソル、ヴィッセル神戸に関係する上場企業をピックアップしました。

すなわち、エディオン、三菱自動車工業、パナソニック、東京ガス、新日鐵住金、富士通、日産自動車、トヨタ自動車、日立製作所、楽天の10社です。

2015年のJリーグ関連企業株価騰落率の結果はいかに

いきなりですが、ベスト3の発表です。

第3位はトヨタ自動車で、株価指数は102となりました。ご存知のようにトヨタ自動車は日本を代表する自動車メーカーですが、昨年末から株価はほぼ変わらない状況でした。

名古屋グランパスエイトもトヨタ自動車がサポートしている割には、これまで結果はパッとしないというのが実際ではないでしょうか。来シーズンから就任する小倉隆史新監督に期待です。

第2位はエディオンで、株価指数は115です。エディオンは大阪に本社を置く家電小売店ですが、前身であるデオデオとエイデンが持株会社エディオンを設立し、ミドリ電化を子会社してできました。

前身デオデオが広島県に本社を置いていたこともあり、今もなおエディオンはサンフレッチェ広島をサポートしているのでしょう。

2016年も選手との距離感が近い森保一監督の下、ベテラン・佐藤寿人選手や若手・浅野琢磨選手をうまく掛け合わせ、引き続き強いサッカーを見せてほしいものです。

さて、第1位は日産自動車です。株価指数は119となりました。

日産自動車はそもそも、フランスのルノー社が発行済み株式数の40%以上を保有する状況ですが、横浜F・マリノスの株主構成にも変化がありました。英シティフットボールグループが一部株式を保有しています。

つまり、日産自動車だけではなく、横浜F・マリノスの株主構成にも外国籍企業が含まれているわけです。クラブチームの主要株主の変化がクラブチームにも変化を与えた例とも言えるでしょう。

Jリーグは海外でのマーケティングが決して上手とはいえませんが、横浜F・マリノスが先兵となってくれれば、Jリーグのグローバル展開も面白くなるかもしれません。

総じて冴えなかった株価パフォーマンス

ところで、他の企業はどうしたのかという声が聞こえてきそうですが、結論から言うと、株価はパッとしません。

TOPIXの株価指数が112であるのに対して、先ほど見た第3位のトヨタ自動車は102に過ぎません。

つまり、第3位のトヨタ自動車でもTOPIXのパフォーマンスを大幅に下回っており、いかに2015年のJリーグクラブチーム関係企業の株価パフォーマンスが良くなかったかがわかるでしょう。

ちなみに、ワースト1は日立製作所で株価指数は83です。日立製作所の株価同様、柏レイソルのファーストステージは全18チーム中14位という結果でした。

柏レイソルは、就任わずか1年の吉田達磨監督との契約を更新せず、外部から見るとちょっと早すぎる決断かなという気もします。

フロントは優勝できるチームを目標にしているようなので、2016年シーズンはどのような変化が起きるのか見守りたいと思います。

LIMO編集部