財務省によると、2025年度の国民負担率は46.2%の見通しとなっており、私たちは社会全体で見れば、所得の半分近くに相当する額が公的負担となっている計算です。物価の上昇も続くなか、「生活が苦しい」と感じる人も少なくありません。
そこで知っておきたいのが、住民税非課税世帯が受けられる優遇措置についてです。ここでは、住民税非課税世帯の条件や主な優遇措置について解説します。
1. 住民税非課税世帯、東京23区の例でみる収入条件「年収いくらから」対象になる?
納める住民税の金額がわかる通知書1/3
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住民税非課税世帯とは、名前のとおり住民税の納付が免除される世帯のことです。私たちは居住する自治体に住民税を納める必要がありますが、一定の条件に当てはまる世帯はその納付が免除されます。
住民税は地方税であることから、住民税非課税世帯の条件は各自治体によって異なります。お住まいの地域の「級地(生活コストによる区分)」によって基準額は多少前後しますが、おおむね計算式は共通しています。ここでは、東京都23区を例に紹介しましょう。
まず、住民税には「所得割」と「均等割」の2種類があります。所得割が非課税になるのは、前年中の総所得金額等が下記の金額以下の方です。
<所得割が非課税になる方>
- 同一生計の配偶者や扶養親族がいる場合:35万円×(本人・扶養親族等の数)+42万円以下
- 同一生計の配偶者や扶養親族がいない場合:45万円以下
また、所得割と均等割のどちらも非課税になるのは、下記のいずれかに当てはまる方です。
<所得割・均等割どちらも非課税になる方>
- 生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は年収204万4千円未満)
- 前年中の合計所得金額が下記の金額以下の方
①同一生計の配偶者や扶養親族がいる場合:35万円×(本人・扶養親族等の数)+31万円以下
②同一生計の配偶者や扶養親族がいない場合:45万円以下
たとえば、本人と配偶者、子ども3人の世帯では、前年中の合計所得金額が206万円以下となる場合に、住民税の所得割・均等割のいずれも非課税となるしくみです。
2. 住民税非課税世帯、「生活費を劇的におさえる」主な優遇措置3選
医療費や介護サービス利用料の軽減2/3
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住民税非課税世帯は住民税の納付が免除されることに加えて、生活の負担を軽減するさまざまな優遇措置が設けられています。ここでは、主なものを3つ紹介しましょう。
2.1 社会保険料の減免
住民税非課税世帯では、国民健康保険料や国民年金保険料の減免が受けられます。
国民健康保険では世帯の収入状況に応じて保険料の負担を軽減する措置があり、最大7割の軽減を受けることができます。
また、国民年金では前年の所得に応じて保険料の免除や納付猶予の措置が設けられています。免除では全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があり、その期間も受給資格期間へ算入してもらえるメリットがあります。
将来受け取る年金は全額納付した場合に比べて少なくなってしまうものの、全額免除のケースでも満額の2分の1を受け取れるのは大きなメリットといえるでしょう。
2.2 医療・福祉の負担軽減
住民税非課税世帯は、医療・福祉分野でも負担軽減を受けることができます。
まず医療分野では、高額療養費の自己負担額が低く設定されています。長期の入院や手術などでまとまった医療費を支払った場合、高額療養費の制度を使って払い戻しを受けることができます。
その限度額は年齢や所得によって定められていますが、住民税非課税世帯の自己負担額は70歳未満で月額3万5400円です。病気やケガなどで突発的に医療費がかかるときでも、上限額が抑えられている点は暮らしの安心感につながるでしょう。
また、介護サービス利用料でも所得や資産の状況に応じて負担を軽減する措置が設けられています。介護保険施設に入所した場合、居住費や食費を支払わなければなりませんが、所得や資産が一定以下の場合は負担限度額を超えた部分が介護保険から支給される仕組みです。
2.3 子育て世帯への支援
住民税非課税世帯では、子育て・教育費用に関する支援も受けられます。
現在、3〜5歳の子どもに関しては保育所や認定こども園の保育料がすべて無償化されていますが、住民税非課税世帯については0〜2歳の子どもも無償化の対象です。
また、小学生・中学生の子どもがいる世帯についても居住する自治体から援助が受けられます。援助の内容は各自治体によって異なりますが、たとえば東京都中央区では学用品費や通学用品費、学校給食費などが援助の対象となっています。
3. 住民税非課税世帯、制度を正しく理解して生活を守ろう
制度を正しく理解して生活を守ろう3/3
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住民税非課税世帯には、税金や社会保険料をはじめとして生活の負担を軽減するさまざまな優遇措置が設けられています。しかし、中には自ら減免措置の手続きを行う必要があるものも少なくありません。
自らの生活を守るためには、制度を正しく理解して必要な手続きを取ることが大切です。
「自分が住民税非課税世帯に該当するのか分からない」「どのような優遇措置が受けられるか知りたい」という場合は、まず居住する自治体の窓口へたずねてみるとよいかもしれません。
参考資料
椿 慧理