2. 年収の壁が「178万円の壁」に引き上げ
「178万円の壁」の引き上げは、2025年12月18日の与野党合意により決定され、2026年から実施予定です。これにより、所得税の非課税ラインが従来の160万円から178万円に拡大します。
この改正は、基礎控除の最大95万円と給与所得控除の65万円を合計した額に基づき、最低賃金の上昇率(約1.73倍)を反映したものです。年収178万円までは所得税がかからない可能性があり、パートやアルバイト労働者の手取り増加が見込まれます。
減税効果は年収によって差がありますが、2万~6万円程度の手取り収入の増加が見込まれています。手取り収入が増えて消費が活性化し、経済全体に好影響をもたらす効果も期待されています。
3. 「106万円の壁」と「130万円の壁」が残る点に注意
年収の壁には、税法上と社会保険上の2種類があります。社会保険上の年収の壁である「106万円の壁」と「130万円の壁」は、178万円の壁(所得税非課税ライン)の引き上げ後も残る重要なハードルです。これらを超えると保険料負担が発生し、手取りが急減する可能性があります。
106万円の壁は、従業員数が51人以上の特定適用事業所に勤務しているパートの方が該当します。週20時間以上・月8万8000円超(年収換算で106万円)などの要件を満たすと、勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)へ加入するラインです。
130万円の壁とは、配偶者の扶養から外れる基準で、もし壁を越えたら国民健康保険・国民年金に個人加入が必要になる壁です。
つまり、178万円までは自身の所得税が発生しなくても、社会保険に加入することで手取り収入に悪影響が出る可能性があり得るのです。年収の壁を意識して就業調整をしている方は、「税法上」「社会保険上」の年収の壁を整理したうえで、どのような働き方を選択すべきかを考える必要があります。
