8月14日(金)は年金支給日です。年金支給額は人により異なりますが、所定の金額以下の方には「年金生活者支援給付金」が支給されていることをご存じでしょうか。
年金生活者支援給付金は、年金を含めた所得が低い方の生活を支援するため、消費税率が10%に引き上げとなった2019年10月1日から施行された制度です。
本記事では、年金生活者支援給付金の概要や支給対象者、支給額について解説していきます。
1. 3つのポイントの見出し
-
【メリット】所得等の要件を満たせば、年金に月額5620円(令和8年度基準額)が上乗せされ、一度手続きすれば翌年以降も原則自動で継続されます。 -
【リスク】過去に国民年金保険料の未納期間があると実際の受給額が基準より低くなるほか、対象者であっても自ら申請しなければ支給されません。 -
【対策】新規受給時の年金請求書や、9月以降に対象者へ届く「はがき型」の請求書を見落とさず、必要事項を記入して速やかに返送しましょう。
2. 年金生活者支援給付金には3つの種類がある
年金生活者支援給付金とは、年金収入やその他所得の合計額が一定金額以下の年金受給者に、年金に上乗せして支給される給付金です。低所得の年金生活者の生活支援を目的としており、財源は2019年(令和元年)10月1日から実施された消費税率10%への引き上げ分が充当されています。
年金生活者支援給付金は年金に上乗せして支給されるため、支給日は年金と同じ日です。年に6回、偶数月の原則として15日に口座に振り込まれます。
前月と前々月分がまとめて当月に支給されるため、6月15日(月)に支給されたのは4月分と5月分の2ヵ月分です。
なお、給付額は物価の変動に応じて毎年4月に改定されています。
年金生活者支援給付金は、受給中の基礎年金の種類によって、以下の3つの種類に分かれます。
- 老齢基礎年金受給者:老齢年金生活者支援給付金(または補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害基礎年金受給者:障害年金生活者支援給付金
- 遺族基礎年金受給者:遺族年金生活者支援給付金
それぞれの年金生活者支援給付金ごとに、支給要件や支給額が決められています。詳しい内容を次章で確認しましょう。
3. 年金生活者支援給付金は誰がいくらもらえる?
3つの年金生活者支援給付金の、それぞれの支給要件や支給額について見ていきます。
3.1 支給要件
【老齢年金生活者支援給付金】
老齢年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、以下の要件をすべて満たしている方です。
- 65歳以上の老齢基礎年金受給者である
- 世帯内の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金等の収入金額※1とその他所得の合計額が次の金額以下である※2
・昭和31年4月2日以後生まれ:90万9000円以下
・昭和31年4月1日以前生まれ:90万6700円以下
※1 障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まない
※2 以下の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」の支給対象
・昭和31年4月2日以後生まれで80万9000円を超え90万9000円以下
・昭和31年4月1日以前生まれで80万6700円を超え90万6700円以下
【障害年金生活者支援給付金】
障害年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、以下の要件をすべて満たしている方です。
- 障害基礎年金受給者である
- 前年の所得が、479万4000円以下※である
※扶養親族等の人数に応じて増額される
【遺族年金生活者支援給付金】
遺族年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、以下の要件をすべて満たしている方です。
- 遺族基礎年金受給者である
- 前年の所得が、479万4000円以下※である
※扶養親族等の人数に応じて増額される
3.2 支給額
令和8年度の年金生活者支援給付金の支給額は、それぞれ以下の通りです。
【給付金の種類/令和7年度支給額(月額)/前年度からの増額分】
- 老齢年金生活者支援給付金/5620円/+170円
- 障害年金生活者支援給付金1級/7025円/+212円
- 〃 2級/5620円/+170円
- 遺族年金生活者支援給付金/5620円/+170円
老齢年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は月額5620円です。障害年金生活者支援給付金は1級の場合が7025円で、2級の場合が5620円です
ただし、これらの金額はあくまでも基準額であり、実際には保険料納付済期間に応じて調整されます。
厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和7年3月の平均給付額はそれぞれ以下の通りです。
【給付金名:平均給付額(月額)】
- 老齢年金生活者支援給付金:4146円
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:2177円
- 障害年金生活者支援給付金:5727円
- 遺族年金生活者支援給付金:5228円
老齢年金生活者支援給付金の平均給付額は、基準額よりも1400円程少なくなっています。万が一のときに給付金を満額もらえるようにするには、保険料を満額納付することが大切です。

