3. 夫婦ともに厚生年金かどうかで変わる老後の家計
70歳代の年金の平均受給額が明らかになりました。
では、この金額で老後の家計を支えていけるのでしょうか。
3.1 共働き世帯と片働き世帯で年金構造は異なる
老後の家計を左右する大きな要因のひとつが、現役時代にどの年金制度へ加入していたかです。
先述の厚生労働省の公表データによると、70歳代の厚生年金(老齢基礎年金を含む)の平均受給額は月15万円台であるのに対し、国民年金のみの場合は月5万円台にとどまることが明らかになっています。
この違いは、個人単位ではなく「夫婦単位」で考えると、よりはっきりと表れます。
夫婦ともに会社員や公務員として働き、厚生年金に加入していた世帯では、老後もそれぞれが年金を受給できます。一方、片働き世帯では、世帯全体の年金収入は実質的に1人分に近くなるケースが少なくありません。
3.2 年金が2人分か1人分かで家計の見え方は変わる
結果として、同じ70歳代の夫婦であっても、共働き世帯と片働き世帯では、年金収入に月10万円以上の差が生じることがあります。
年金収入が2人分ある世帯では、生活費の大部分を年金でまかなえる可能性が高まり、貯蓄は医療費や介護費といった将来の支出に備えて温存しやすくなります。
一方、年金収入が1人分に近い世帯では、日常生活費を年金だけで賄うことが難しく、早い段階から貯蓄の取り崩しが必要になる場合もあります。
この違いは、老後の生活水準だけでなく、「どのくらいの期間、安心して暮らせるか」という点にも影響を与える重要な分かれ目と言えるでしょう。